M型ライカ、縦位置の構え方問題
みなさんこんにちは。
イメージングディレクター/フォトグラファーの芳田賢明(よしだ たかあき)です。
ラジオのレギュラー番組だと思っていろいろ書いてみる、連載「memorygram」第27回です。
「カメラを縦位置で使うときの構え方」というのは、カメラの話題の中ではわりとポピュラーなもの。
簡単に言えば、「右手を上にするのか下にするのか、どちらが正解あるいは適切なのか」という話。
まあこれはその人の好みによるところも大きく、撮るべきものがちゃんと撮れれば、どちらでも良いと私は思っています。
ちなみに私は右手が下です。その方がカメラが安定するので。
ただ、スタジオやライブの撮影で、かなりの枚数を縦で撮るような場合は、縦位置でも横に構えられるフラッグシップ機や縦位置グリップを必ず使います。
いずれにしても縦位置の構え方というのは不自然な体勢だと思うので。
で、今回はその中でもM型ライカを縦位置で構えるとき、のお話です。
M型ライカに縦位置グリップはないですから、縦構図で撮るなら縦位置の構え方をしなければなりません。
私がM型ライカで撮影する写真の用途は、Webなどの画面にアウトプットされるものが多いので、横位置で撮ることがほとんどです。ポートフォリオも横位置のブックで制作しています。
ただ、写真集などの印刷物、特に製本されるものとなると、主流は断然縦位置となり、かなりの割合で縦写真を撮る必要があります。
そこで困るのが縦位置の構え方。
カメラを構えるということを考えるとき、レンジファインダーカメラであるM型ライカは一眼カメラと比べ、次のような特徴があります。
1,ファインダーが素通し
2,測距のための窓がある
3,採光のための窓がある(LED化されていない機種の場合)
つまり、これらの窓を指や手で遮ると、撮影ができないというわけです。
横位置で撮っていれば、よほど変な構え方をしない限りこれらの窓を遮ることはないのですが、縦位置で構える場合はわりと配慮が必要です。
その上で、カメラを安定させながら、右手を下にしつつ、測距の窓を遮らずにピントを合わせるというのはなかなか難しい。
いろんな構え方で試してみましたが、私としては右手が上だな、となりました。
ちなみに、フィルムカメラの場合は巻き上げレバーでフィルムを巻かないといけないので、なおさら右手が上でないと撮りにくいです。
というわけで、M型ライカなどレンジファインダーカメラの縦位置の構え方というのは、一眼カメラほどの自由度はないんだなぁ、というお話でした。
【プロフィール】
芳田 賢明(よしだ たかあき)
イメージングディレクター/フォトグラファー。
「クオリティの高い撮影・RAW現像で、良い写真を楽につくる」をテーマに写真制作ディレクションを行っている。撮影ではポートレートや舞台裏のオフショット撮影を得意とする。
Webサイト…https://atmai.net/
Instagram…https://www.instagram.com/takaaki_yoshida_/
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