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【連載】芳田賢明「memorygram」第5回

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ライカの話(4)

みなさんこんにちは。
イメージングディレクター/フォトグラファーの芳田賢明(よしだ たかあき)です。
ラジオのレギュラー番組だと思っていろいろ書いてみる、連載「memorygram」第5回です。

ライカM9でのテスト撮影を続けながら、「自分が求めていたカメラはまさにこういうものだった」ということがわかり、本当にこのM9が良いか、あるいは別のM型ライカの方が良いか、という検討に入っていきました。

というのも、当時すでにM9は旧機種となっており、イメージセンサーがCMOSとなり動画撮影も可能となった「M」が登場し、CCD機はアンスラサイトグレー色の「M-E」として新たに販売されていたからです。
借用しているM9をそのまま譲ってもらうべきか、はたまたMか、M-Eか。
ライカショップへ何度も足を運び、実機を確認しました。

最終的にはM9をそのまま譲ってもらうことになったのですが、決め手になったのは3つ。
1 Mのボディは自分には少し厚く、重い
2 Mのシャッター音がいまいちしっくりこない
3 MのRAWデータはM9と比べてどうしてもデジタルっぽさを感じる

人によっては大したことではないかもしれませんし、その程度なら最新機種を買うべきだと考える方もいるかもしれません。
ですが、私にとって「しっくりくる」というのは非常に大きな要素です。
「自分の一部」として、カメラという道具を意識することなく、撮影に集中できるということをとても大事にしているのです。
道具に対する「なんかしっくりこない」「どうも違う」というのは、写真に出てしまうのではないかと思うのです。

M-Eにしなかったのも、ボディがアンスラサイトグレーという独特な色をまとっていること、M型ライカの正統な系譜とは少し離れたところに位置していること、というのが引っかかったということがありました。
全てに対して納得がいく方法を取るには、やはりM9しかなかったのです。

また、撮影にあたって「カメラがなるべく目立たないこと」を重視しているため、基本的にカメラを選ぶときはブラックにしているのですが、借用しているM9はシルバーです。
もちろんシルバーのままでも良い質感とスタイルなのですが、ライカではM9をM9-Pという機種へ純正アップグレードしてくれるサービスがありました。
それを行うことで、シルバーをブラックに変更することができ、M9-Pになることでライカの赤いロゴが外れ、液晶モニターの保護ガラスはさらに強度の高いものとなり、内部の点検も行われて新たにメーカー保証が付きます。
M9を譲ってもらい、この純正アップグレードを行うのが、自分にとって最高の選択だろう、と判断したのでした。

それからは、貸主である当時のオーナーと相談、交渉を行い、お借りしてから約1ヶ月、返却することなく譲っていただくことになりました。
その後、銀座のライカへアップグレードを相談。混み合っていて部品の供給が追いついておらず、着手まで4ヶ月程度かかるとのことでしたが、そのまま予約。
約束通り4ヶ月後に部品入荷の連絡があり、預けてから1週間程度で、シルバーのM9がブラックのM9-Pとなって帰ってきました。
てっきり本国ドイツでの作業になると思っていましたが、国内で対応できるそうで、予想以上に早い帰還でした。
ボディカラーが変更になることで、ほとんどの外装パーツが新品となり、パッと見は新品同然です。

アップグレード前の姿↓

アップグレード後の姿↓

こうして、生まれ変わったM9-Pで、いよいよ本格的に撮影を始めていきます。

L1002532

M9-Pになって初めての撮影は、CDジャケット撮影の現場でした。
出せない写真ばかりなので、こんなカットで。


【プロフィール】
芳田 賢明
(よしだ たかあき)
イメージングディレクター/フォトグラファー。
「クオリティの高い撮影・RAW現像で、良い写真を楽につくる」をテーマに写真制作ディレクションを行っている。撮影ではポートレートや舞台裏のオフショット撮影を得意とする。
Webサイト…https://atmai.net/
Instagram…https://www.instagram.com/takaaki_yoshida_/

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