Happy Sundayな日曜日
前回に引き続きラジオのテーマソングに関してお話ししましょう。
80年代は今のようにSNSなどない時代。
歌手や俳優、タレントとの接点はテレビかラジオが中心でした。
特にラジオは個人としてパーソナリティを務める番組が中心で、個人的な出来事や想いなどを聞く事が出来る貴重なツールなのでした。
随分と時代は変わったなぁ、などと昔の番組を改めて聞き返してみると思います。
35年以上前の番組ですが、好きだった番組がありました。
パーソナリティは松田聖子さん。
ニッポン放送でオンエアされていた「夢で逢えたら」と、FM東京でオンエアされていた「ひとつぶの青春」
この2つの番組は後々のラジオ制作に関して大きな影響を与えてくれた番組でした。
「夢で逢えたら」のオープニングテーマ曲は2ndアルバム「North Wind」の収録曲「Only My Love」。名曲中の名曲です。
この曲のイントロの弦楽器のアンサンブルがラジオから流れるとグッときましたね。
まさに、このアレンジの手法は自分が作った楽曲でも採用させてもらっております。
それこそ子どもの頃に聴いた楽曲が与える影響が、今になってもそのまま残っている証拠なのです。
そして番組タイトルも、自分が制作したラジオ番組のタイトルにオマージュされました。
実はその当時は全然気付いていなかったのですが、制作しているラジオ番組のタイトルを聖子さんファンの先輩に言伝えると…
「それまんまじゃん」と言われ、ハッと気づいたのでした。
その番組というのは声優さんと2人でお喋りする番組で、3年以上続いた息の長い番組でした。
その後に代替わりをしてさらに続いていったので、長い長〜い歴史の番組へと成長していきました。
そしてもう一つが「ひとつぶの青春」です。
この番組で特筆したいのが、まさにオープニングテーマ曲なのです。
番組スタートから2か月ほど経過した後に、番組宛の手紙のエピソードをもとに松本隆&財津和夫コンビが書き下ろした曲
「HAPPY SUNDAY」がオープニングテーマソングとして流れるようになりました。
なんとも素敵な日曜の午後のひとコマのような曲なのです。
この曲はクリスマス限定アルバム「金色のリボン」に収録されました。
いや〜思い出すなぁ。6thアルバムの「Candy」が、その年の私の誕生日に発売されるのですが。
いつも通っていたレコード店ではこの2枚のアルバムを購入するとミニサイズのポスターパネルをプレゼント!という企画がありました。
これは誕生のお祝いに自ら購入するしかないと思い、素直に予約購入いたしました。
アルバム「Candy」は自分ランキングで同率1位のアルバム(もう一つは「風立ちぬ」)となり、永遠の名作として今でも燦然と輝いております。
1曲目の「星空のドライブ」で完璧にやられますから。今の時期にはもってこいの曲です。
「金色のリボン」はクリスマスのコンセプトアルバムで、クリスマスソングやウィンターソングなどが収録されています。
その中に「HAPPY SUNDAY」が収められてあり、フルコーラスを聴く事が出来たのは嬉しかったですね。
そしてユーミンのアルバム「SURF&SNOW」に収録されていた「恋人がサンタクロース」の聖子verが収録されております。
これがまた冬のワクワク感を更に盛り上げてくれるのでした。
ラジオのスピーカーに耳を傾け、お喋りを聞きながら過ごす、そんな感じで色々な副産物を生みだしながら楽しんだ時間でした。
アナログの「金色のリボン」はもう手元にはありません。
「HAPPY SUNDAY」が聴きたいなと思い調べてみると、アルバムのCD発売はされておりませんでしたがDLで楽曲の購入は出来ます。
いやはや凄い時代です。ラジオでエアチェックをしていたあの頃に憧れた未来がやって来てしまったのです。
早速「HAPPY SUNDAY」を購入いたしました。
こんな風に思い出を補完できるのは有難いのですが、あくまで思い出を掘り起こした結果のご褒美であるのが相応しいのかなと。
まずは思い出になるほどの出来事と出逢い、インプットする事が大切なのであります。
時間が経って思い出が色褪せたとしても、素敵な時だけ思い起こしてアウトプット出来たとしたら、その思い出は完成されるのではないでしょうか。
今では30年以上の時間がもたらしてくれた記憶が、様々な形で現在の時分に対して影響している事。
記憶を紐解いてみると、一見とっちらかっているようですが、様々な形で自分を形成している事に気付けました。
ラジオが持っていた幸せな文化は時代と共に変化しておりますが、その時代を体験した人には確実に暖かい経験として残っています。
それではラジオ番組「ひとつぶの青春」の最終回で、本人がエンディングに生で歌って番組とお別れした思い出の曲でもあります。
松田聖子で「HAPPY SUNDAY」を聴きながらお別れしたいと思います。
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