『トワイライトエクスプレス 瑞風の旅 その5』
この日は初体験となる、島根県を見学いたします。
一番行きたかった出雲大社はコース外で残念でした。
菅谷たたら山内、そして日本屈指の山林王、田部家土蔵群を見学。
残念な事にこの日は朝から雨が強く、傘をさしての見学となりました。
田部邸は名所として見学ツアーで来る方が多いみたいで、休憩所や売店などありました。
そこで売っていたのが卵かけご飯専用の醤油「おたまはん」。結構ブームになった商品が雲南市で作られていたんですね。
アニメ「鷹の爪」の吉田くんが「しまねsuper大使」として島根県で活躍しています。
お醤油のラベルにも吉田くんが印刷されておりました。なるほどね〜、そういう関係性があったんだ。
この後は移動して昼食です。
この旅の中でも唯一の変化球な印象のお食事です。
バスに乗り込んでお食事をするお店に移動しました。
少し山を上がっていくように移動をしていきますと、古い大きな建物が出迎えてくれました。
旧家を改造した大きな日本家屋に入ってみますと、畳敷きのとても広いお座敷にテーブルがたくさん並んでおります。
自分達の席に案内していただきました。
ここは、室山農園 食の杜『かやぶきの家』という、無農薬自給自足の郷土料理を食べられるというお店です。
瑞風のツアー客用にコース的に料理を特別に提供して頂きます。一般にはバイキングスタイルで提供されているそうです。
こちらでは地産地消の本当の郷土料理が振る舞われます。
お店にいる方は全員がそこに出される野菜を作り、そして料理してくれる地元の『おばちゃん達』なのです。
綺麗に盛り付けられているその料理は、ざっくばらんな、真実の料理としか表現できない、素朴でもなんとも優しくて柔らかい味なのです。
食べるだけで体がデトックスされたような気持になります。
ふだんなかなか食べる事のない、野菜や山菜、お煮しめなどが本当にご馳走なんですよ。
これぞ真心と素晴らしい素材が作り上げた料理なんだな〜。しみじみ…。
内容はぜひメニューをご覧ください。
特別なご馳走と言うより心のこもったお母さんの味なんです。だから誰にとっても素晴らしいご馳走なのですね。
初めての地なのに、故郷に帰ったような気持になりました。
本当に美味しかった。
豪華で強力な素材と技術で提供されるご馳走と、一見対極にあるようですが、素材と技術そして真心が料理の大切なファクターであると教えられる、素晴らしい体験をさせて貰いました。
う〜む、瑞風の旅、本当に侮るなかれ。
素敵なお食事の後はスサノオノミコトが造ったとされる日本初の宮を参拝する為に須我神社へ向かいます。
須我神社に到着すると、参拝の前に神楽の宿で伝統芸能「出雲神楽」を鑑賞いたします。
これがまあ、予想に反してなんとも激しい内容で客席になだれ込むように立ち回ったりと、素晴らしい伝統的エンターテインメント・ステージなのでした。
スサノオノミコトがヤマタノオロチを退治する物語なのですが、正に伝統芸能と言った素晴らしい内容でありました。
出雲神楽を満喫した後は須我神社をお参りいたしました。
伊勢神宮の式年遷宮で出された宝物が奉納されていて、そちらも拝見する事が出来ました。
由緒正しき神社を参拝出来て良かったです。
お参りを終えると移動になるのですが、ここで二つの選択肢から選ぶことが出来ます。
松平不昧公ゆかりの茶室「明々庵」を見学しお茶を振る舞っていただくコースと、列車に戻って一休みするコース。
ここは迷わず列車に戻るコースを選択いたしました。
連れの先輩が松江駅でご友人と会う約束をしているそうなので、私は一人のんびりさせて頂きたいなと思います。
明々庵まで一旦バスは向かい、見学の方は下車されて参ります。
見回すと10人ほどは列車に戻ったり駅周辺を散策される模様です。
バスが駅に到着しますと、思い思いに分かれて行動となりましたが、列車にストレートに戻るのは私だけのようです。
いいじゃない、貸し切りよ!
サッと部屋に戻り、初の列車でのシャワーを浴びたいと思います。
これも楽しみにしておりました。昨日は見学の城崎温泉で温泉に浸かれたので、シャワーはお預けにしておりました。
シャワールームはもちろん広くはありませんが、固定の大きなシャワーヘッドやホースのシャワーもあり水圧を含め問題なし。
更に! アメニティのセレクトがマジで素敵なんです。
シャンプー、リンス、ボディソープの全てはエルメス!
カミソリやアフターシェーブローションなどは国産の良いものがセレクトされています。も〜心憎い演出やん!
列車は瞬間貸し切り状態だし、連れもお留守なので時間もなにも気にすることなく、瑞風でのシャワーを満喫いたしました♪
駅に停車中ですが、ホームと反対側が部屋の窓側になります。停車中の現在、壁しか見えないのでマッパも気にせず室内でクールダウン出来ます。
汗も引いて一息付きましたので、さあ! 行こうじゃないか! 楽しい楽しいあの場所へ!
時間はまだ16時30分。こんな時間から楽しめるなんて贅沢じゃありませんか。
実はこれは狙っていたので超楽しみにしていたのです♪
足は食堂車を通り過ぎて隣のラウンジカーへ。
そして誰もいない貸し切り状態の列車のカウンター席によっこいしょっと座りました。
「お戻りですか」と声をかけてくれたのは、昨日もカウンター越しにイロイロとお話をしていた、バー担当の竹中さん。若くて爽やかな男前くんです。
早めに列車に戻って、午後の時間を誰にも邪魔されず、ゆ〜〜〜〜〜っくりとお酒を飲みながら過ごしたかったのですねぇ。
これは列車の旅での最強の夢ってやつですよね。
古くは映画「007 ロシアより愛をこめて」でジェームズ・ボンドがオリエント急行の中で食事やお酒を飲むシーン。
あれから50年以上の時が経っておりますが、子どもの頃に観たこの映画のカッコいい列車の旅の姿から全てが始まっているのです。
あのような粋でカッコいい大人になれたかどうかは置いておいて、少なくてもそれに近いシチュエーションを満喫できる時がくるなんて…
もう人生の中でもベスト5級の嬉しさですよね♪
先ずはシャワーの後の一杯という事で生YEBISUビールから。
バーカウンターの後ろには窓があるので、ホームを行き交うスーツ姿の人や学生さんなどの姿が見えます。
たまに窓から覗き込んでくる方と目があったりして、すいませんと思いつつも楽しく飲み始めました。
続いてはウォッカ・コリンズ。
爽やかな味わいのシーブリーズ。
ウォッカベースからジンにスイッチしてジン・トニック。
続いてブランデーベースの大好きなカクテルのアレキサンダー。
ブランデーつながりでアルマニャックをオンザロックで。
そしてお次はラム・トニック。
お口直しにシェリーを一杯ティオ・ぺぺです。
これまた好きなショートカクテルをロックスタイルで頂きます。バンブー・ロック。
カンパリ大好きスプモーニ。
一杯やっとくか! マッカランの18年をオンザロックで。
更に今、全然売ってないぞのサントリー響21年をオンザロックで。
竹中さんにどうぞ飲んでくださいと勧められるがままにバランタイン30年のオンザロック。
これだけやればもう十分でしょう!
って感じですが、楽しく2時間くらいがあっという間に過ぎた感じです。
しかも! タイミング、健康状態、精神状態全て最高っ! だったのでそんなに酔ってない(自分的には)感じなのね。
足もなんでもないし喋りも普通、お酒も良いものだから悪酔いなんてないんですね。
あ〜〜〜〜〜美味しかった! 最高っ!
一度お部屋に戻って、これから夕食ですからね。なんて幸せ♪
食前酒は完璧です。この後は10年連続三ツ星の菊乃井の夕食が待っているのです!
嬉しいったらないですよねこんな夢のシチュエーション☆
さてさて、こんな幸せな気分で聴きたい一曲といえば…
時節柄、やはりこれでしょうかね!
フランク・シナトラで「レット・イット・スノウ」
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