櫻井里花が歌う理由…。
何故、その歌い手に惹かれるのか…。それは、「何色にも染まってないから?」「何色にも染まらない強烈な個性を放っているから?」「何か化けそうな成長の芽を感じるから?」。どの解釈も正解だ。では、櫻井里花は…。先に上げたどの言葉にも当てはまれば、そうじゃないのかも知れない。「じゃあ、一体何??」。
「櫻井里花は今、必死に自分になろう」としている。その姿に強く惹かれた。
「歌が好きで、ただただ歌いたいから」という気持ちが彼女の歌の原点にあれば、その気持ちは今も変わらない。でも今の櫻井里花は、まわりが彼女に惹かれた姿、まわりが求めている櫻井里花という姿へ自分も一度染まってみようとみずからを試している。自分ではまだ「自分らしさ」を理解しきれていない。だからこそまずは、背伸びした櫻井里花像を描きながら、自分がどんな色へ染まれるのかを探っている。そこで何かが見えたとき、本来持っている「らしさ=素材としての魅力」へ新たな刺激が加わり、ひと皮向けた櫻井里花になる。そんな予感を、今は覚えている。
まだまだ進化の過程だ。むしろ、これからもっと試行錯誤を重ねてゆく櫻井里花のリアルを。少しずつ成長してゆく櫻井里花の姿を見続けることへ、今は惹かれている。そんな彼女の背伸びした今現在を映しだしたのが、12月5日に発売する1stアルバム『ありがとうじゃ足りないよ』になる。櫻井里花が今どんな気持ちで、芽吹いたばかりの心の茎や葉を伸ばしているのか。その言葉を、これからお届けしたい。
伝える意味があるからこそ、わたしは歌ってゆく。
――今は大学4年生。社会人としての道の選択をせまられている時期ですが、里花さんは歌の道を進んでゆくと聞きました。何時頃からですか、その道へ進むと決めたのは。
櫻井 大学2年の頃にはそう決めていました。ただし、とくに大きなきっかけがあったわけではないです。歌を始めた頃から、「わたしはずっと歌っていきたいし、歌っていくんだろうなぁ」という気持ちがありました。だから、まわりの子たちがやっている就職活動もすることなく、自分の気持ちが思うままに今も歌い続けています。
――今の環境を得たのも、里花さんにとっては大きなチャンスになりましたよね。
櫻井 そうなんです。わたしのプロデューサーである近藤薫さんと出会い、近藤さんのアドバイスのもといろんなライブへ出演させていただけるようになったのが今年の1月末頃から。お世話になり始めてまだ1年経ってないですが、その間、いろんな環境の変化が生まれてきました。
――環境の変化を通し、自分の意識にもいろんな変化は出てきました?
櫻井 変わりました。今でも「歌が好きだから歌っています」けど、その気持ちだけではいれなくなったというか。歌うことに対して深く考えるようになりました。
具体的にいうなら、「自己満足で歌うのは違うな」ということ。近藤さんのアドバイスのもとライブ活動を続けてゆく中、「聞いてくれる人がいるから」「伝える意味があるからこそ、わたしは歌っていく」と思えたことをきっかけに、「自分が楽しいだけでは駄目だ」という気持ちになりました。
――お客さんの反応にも、気持ち左右されることもあります?
櫻井 あります。その日のライブの内容が良かったときと上手く表現しきれなかったときでは、明らかにお客さんの反応が違えば、それが自分にも伝わってきます。何時だって、その会場にいる方々はしっかりとわたしのステージを観てくださっている。だからこそ、しっかり響かせたいという気持ちを持つようになりました。
音楽の道へ進まなかったら、今頃わたしは就職活動もせず、こたつに潜っての日々を過ごしていたと思います。
――櫻井里花として伝えたい想い、それも見えてきました?
櫻井 今、わたしが歌っている楽曲はすべて近藤さんが作詞作曲をしてくださっています。わたし、近藤さんの書く歌詞が大好きです。だからこそ今は、近藤さんがわたしのために込めた想いたちを、櫻井里花というフィルターを通してしっかり伝えてゆくことがわたしの役割だと思っています。
というのも、近藤さんは何時も、わたしが心の中に持っている気持ちを言葉にしてくださいます。だからどの曲も、自分の気持ちと自然にリンクしながら歌っているし、そうしたくなります。
――自分の気持ちを歌にしようとは?
櫻井 ひっそり歌詞を書いていれば、何時かは自分の言葉でもいろんな人に想いを伝えられたらと思っていますけど。今はまだまだ近藤さんにいろんなことを教えていただいては、それを学び、自分の力にしていきたい気持ちでいます。
――里花さんの近い目標も教えてください。
櫻井 今は、とにかくいっぱいライブをやって、いろんな人たちに櫻井里花の歌を聞いていただくこと。今はそこを充実させたいなと思っています。
――今でも、コンスタントにライブ活動をやっていますよね。
櫻井 今は、1カ月に3-4回のペースでライブ活動をしていれば、11月16日の誕生日には初めてのワンマン公演も経験。わたし、1stシングルの『短篇小説』を発売したのが7月30日だったように、初めてのCD作品を出して間もないのに「早くもワンマン公演を?」と驚きましたが、求めてくださる方がいる以上は、何時だって全力で頑張りたいと思っています。
――12月5日には、1stアルバム『ありがとうじゃ足りないよ』を発売。順調に歩みを進めていません?
櫻井 わたし、「今年中にCDを出すこと」を目標に活動を続けてきました。それがまさか、シングルのみならずアルバムのリリースまで!!。しかも、ワンマンコンサートも行ってですから、自分でも驚いています。
――それだけ里花さんへ興味関心や、期待を抱いている人たちが多いということですからね。
櫻井 ありがたいなと思っています。自分の歌を「いい」と言ってくださる人がいる現実は、ライブなどのリアクションを通して頭の中ではわかっていますけど。いまだに、そこは不思議な感覚です。
――ライブへ向かう気持ちにも変化は出てきました?
櫻井 変わりましたね。最初の頃は、自分で楽しみながらも、人前で歌うことで精一杯でしたけど。今は、「どう伝えよう」「どう表現しよう」ということを考えながら歌えるようになりました。
ただし、本番中に考えすぎるのは良くないから、ライブ当日まで考えに考えて。ライブ当日は、余計なことは考えないで歌うようにしています。それが、今は一番いいみたいです(笑)。
――プロデューサーの近藤薫さんから学ぶことも多いですか?
櫻井 とても多いです。わたしにとっての、音楽の師匠ですから。
――近藤さんとの出会いも教えてください。
櫻井 わたし、始めはお芝居のレッスンを受けていました。そこのスクールには音楽のクラスもあったことから、もともと歌も好きだったように「自分のために歌も学んでみよう」と同じくレッスンへ通いだしたところ、そこの講師として近藤さんがいました。もし、あのとき近藤さんと出会わずに、音楽の道へも進まなかったら、今頃わたしは就職活動もせず、こたつに潜っての日々を過ごしていたと思います(笑)。それくらい、出会ったことでわたしの運命は変わりました。
――今は、近藤さんと一緒に二人三脚で活動を続けています。里花さん自身も、いろんな想いを近藤さんにぶつけています?
櫻井 ぶつけています(笑)。もちろん、「こういう活動をしていこうか」という提案もしていただければ、わたしの駄目なところははっきりと言ってくださいます。わたしも「こういう音楽をやりたいです」と想いを伝えているように、近藤さんはわたしのプロデューサーですけど、変に気を使わずに何でも言い合える関係でいます。今は、とても良い環境の中で活動ができているように、そこは本当に感謝をしています。
『タイムリミット』
――ここからは、アルバム『ありがとうじゃ足りないよ』へ収録した曲たちの解説をお願いしようと思います。冒頭を飾ったのが、心地好い始まりの風を覚える『タイムリミット』です。
櫻井 『タイムリミット』は、そっくりそのまま今の自分の歌だなと思っていて。わたしのまわりには、すごい才能を持った人たちがいっぱいいます。その人たちと自分を見比べては、自信を失くして落ち込むこともあります。だけど、そんなわたしを信じてみなさんが支えてくれるからこそ、わたしはこうやって進み続けられているのも事実です。自分一人で勝手に「駄目だ、駄目だ」と思っていると、まわりの風景さえ歪んで見えてしまうけど。わたしを支えてくれる人たちを信じてさえいけば、その景色はくっきりとしてきますし、真っ直ぐに突き進もうという気持ちにもなれます。タイムリミット(限界)など自分で決めずに進んでいこう。そうやって自分自身と向き合いながら前を向いてゆく気持ちを、わたしはこの曲を歌うたびに感じます。
まさに『タイムリミット』は1曲目に相応しい、「これからわたしは頑張ります」と勢いをつけてガンッと向かっていける歌になりました。
『短篇小説』
――続いては、1stシングルとしても発売。感情の内側で痛い想いを巡らす『短篇小説』になります。
櫻井 初めてのシングル曲であり、わたしが初めて歌ったオリジナル曲になります。わたしのために歌を書いてくださるなんて人生で初めての経験だったように、一生忘れられない歌になりました。
『短篇小説』は、暗い感情を歌にしたマイナー調の楽曲。激情するように声を張り上げ歌う面もあるように、最初に曲をいただいたときは驚きました。しかも、表現するのが難しい歌。歌詞も大人ですよね。最後には前を向くけど、その気持ちへ辿り着くまでは深い海の底まで潜り続けるような感覚でした。当時は、「初めてのオリジナルの歌で、なんでこんなにもハードルが高いの?」と苦戦しながらも歌いましたけど。『短篇小説』を歌い続けることで、わたし自身の表現レベルも上がったように、近藤さんはわたしの成長を見越してこの歌を最初に与えたのかなと、今になって感じています。
――『短篇小説』の歌詞は、触れた人によって解釈の変わってゆく内容だと感じました。
櫻井 わたしの場合、最初は真っ暗な感情という印象でしたが、歌い込むにつれ要所要所に主人公の苦しい気持ちと言いますか、相手に対する未練を抱えながらも、それでも前へ進む想いなど、いろんな感情が入り交じっているのが見えてきました。しかもこの黒は、最初から闇のような黒ではなく、紫や灰色など、いろんな色(感情や経験)が入り交じったことで黒になったとも感じるようになりました。その気持ちを理解したうえで、わたしは叫ぶように歌っています。そこも、『短篇小説』の歌のポイントだと思います。
『Baby blue~くっついていたいよ~』
――『Baby blue~くっついていたいよ~』は、女の子の甘い恋心を歌ったポップに弾む楽曲です。
櫻井 すっごく甘い曲です。わたし、可愛いものは好きですけど、自分で身に付けたり表現することが今までなかったから、歌うとき「大丈夫かなぁ」と不安でした。
わたしにとって『Baby blue~くっついていたいよ~』は、妄想の世界。わたし、恋愛に関してはゲームや漫画の世界を舞台に、ずっと空想や妄想の世界で生きてきました。だから「わたしに歌えるのかな」と思っていましたが、歌ってみたら、わたしがしていた妄想の世界そのものが『Baby blue~くっついていたいよ~』には広がっていました。おかげで、ずっととニヤニヤしながら歌っていたのを覚えています。中へ、「どうして私を選んだの?」という歌詞が出てきます。そこを歌うたびに、「現実で恋愛をしたらこういうことを言うのかな??」と妄想をしながらニヤついてます(笑)。おかげで、あれこれ想像をしながら歌っていました。
『短篇小説』の女の子は、心に重いものを背負っているけど、『Baby blue~くっついていたいよ~』の主人公はホント可愛い女の子していれば、とっても甘い歌にもなりました。
『ありがとうじゃ足りないよ』
――『ありがとうじゃ足りないよ』は、胸にジンッと染み入るバラード曲です。
櫻井 白い紙の上にスポイトで色水をポトンと落とすと、ジワッーと色が滲みながら広がるじゃないですか。『ありがとうじゃ足りないよ』はシンプルな楽曲だからこそ、その上に感情を落としたときにも、その想いがジワジワと広がってゆく。そんなイメージを持っていれば、シンプルだからこそストレートに伝わるものがあるともわたしは感じました。
『ありがとうじゃ足りないよ』を聞くときは、ぜひ目を閉じて、すべての感情をシャットダウンし、何も考えずに音楽だけに集中して聞いて欲しいなと思います。個人的にはバラードを歌うのが好きなように、とても歌いやすかったです。
――別れた恋人から誕生日に届いた「おめでとう」のメッセージ。でも、女の子は返信出来ない理由があることから、既読をつけられずにそのメッセージをボーッと見ています。
櫻井 大好きな相手だからこそ、接してゆくに際しても、本来の自分と、相手に合わせたい自分という感情の狭間で心葛藤してゆくことがあると思います。その気持ちの選択の仕方によって、この子は、大好きな人との時間は戻らないものになってしまいました。そこに届いた大好きな人からのメッセージ。そこでまた彼女の気持ちが揺れ動く、その様がとても切ないなと感じました。
わたし、負けず嫌いな性格のように、本当に身近な人に弱さは見せても、それ以外の人には自分の苦手な姿や弱い面を見せたくない気持ちがすごくあります。だから、この歌の主人公のように「気持ちに素直になれないときがあるのも、ちょっとわかるな」と思いながら歌いました。
――里花さんは、人前で涙を流さない人だ。
櫻井 はい。弱みを知られたくないというか、弱さを理由にして何かをしたくはない性格なので。
――女性の涙は、時にプラスにもマイナスにもなりますからね。
櫻井 確かにそうだと思います。だからこそ、あえて涙を流すことで何かを生み出そうという気持ちはわたしにはないです。
『グレーのスーツのおじさん』
――品川にあるビルの25階のオフィスで働いているおじさんが、バーで働いている若い女の子に「ちゃんと就職をして、将来有望な彼氏をみつけなさい」と語る歌が、『グレーのスーツのおじさん』になります。
櫻井 物語仕立てになっているこの楽曲を受け取ったときは、ビックリしました。「わたし、こんなお店で働いたどころか、行ったこともないよ」と、最初はオロオロしていましたけど(笑)。主人公の女の子が抱えている気持ちには、わたしも共感を覚える面が強くありました。
わたしは今、大学4年生。まわりのみんなは就職など将来の安定した進路を考えているけど、わたしは自分の夢を追いかけたい。そこは、歌に登場する彼女と同じ気持ちのように、「じつはぜんぜん自分と遠くない話」なんだと、歌いながら思えるようになりました。ただ、MVの撮影は難しかったといいますか、わたし、生まれて初めて付け睫をつけ、濃いお化粧をしたように、 こういう機会がなかったら一生出来なかった姿になれたことは良い経験にもなりました(笑)。
――里花さんも、何時かはそういう様が似合う女性になっている可能性だってありますからね。
櫻井 なっていますかねぇ(笑)。10年後くらいには、MVのような姿で歌っていても様になっていたりするのかなぁ(笑)。
『ルーレットを回して』
――『ルーレットを回して』には、男性と女性、異なる視点での想いが綴られています。
櫻井 この歌は、1stシングル『短篇小説』のC/W曲として収録をしました。近藤さんは歌を通してわたしの引き出しを増やしてくれるといいますか、『短篇小説』のときと同じように、わたしの中の新しい表現方法や新たな一面を『ルーレットを回して』を通しても引き出してくださいました。これも、当時のわたしが歌うには正直ハードルの高かった楽曲です(笑)。
『ルーレットを回して』の特色は、一番と二番で歌詞の視点が変わってゆくこと。男性の気持ちと女性の気持ち、それぞれを先に歌詞へ記しながら、互いの感情が絡み合うことで楽曲として成立してゆく。聞くときにも、そこをぜひ感じてください。
『WALK』
――『WALK』は、気持ちを前へ前へと明るく向けてゆく歌になりました。
櫻井 『WALK』は、めっちゃ前向きな曲です。わたしの好きな歌詞が、「守りたいものは何でしょう 壊したいものは何か」というところ。ただただ真っ直ぐに突っ走るのではなく、「自分の中で何が大切か」をしっかり持ってさえいれば、何でも抱え込むのではなく、不必要なものは切り捨てていけるし、自分がどう成長していけば良いのかもわかってゆく。その物事が良い方向へ行くのか悪い方へ進むのか今はわからなくても、確かな信念を持って歩き続けてさえいれば、結果「良い」になるという歌です。身に付けたものを持ち続けたい気持ちもわかりますけど、変わってゆくうえで、ときには捨てる勇気も必要だと思います。
『おつかれさん、また明日。』
――最後は、フォーキーな匂いも感じる『おつかれさん、また明日。』になります。
櫻井 『おつかれさん、また明日。』は、いろんな人たちの気持ちに当てはまる楽曲だと思います。自分の中で何かをあきらめながら日々を過ごすことや、本当は何がしたかったのか、そんなことを考える瞬間って、みんなの中にもあると思います。わたしも深夜になると、そういう気持ちに襲われることがあります。
先のことをあきらめ、今のまま進み続けるのか。自分で一つの区切りをつけ、新しい道へ飛び込もうとするのか…。わたしは変わっていきたい人。後悔しないで進める道がどれかはまだわからないけど、やりたいと思った道へわたしは進みたいし。そうやって、明日を変え続けていきたいなと思います。
――里花さん自身、そうやって自分の道を切り開いてきた人ですからね。
櫻井 わたしの場合、プロデューサーである近藤さんとの出会いが大きかったです。もし出会っていなければ、夢を持ちながらも進もうにも進めず、家のこたつの中へずっといた気がします(笑)。
『ありがとうじゃ足りないよ』という気持ちを持ちながら、わたしはこれからも歌い続けます。
――完成したアルバム『ありがとうじゃ足りないよ』、今の里花さんにとって、どんな作品になりましたか?
櫻井 わたしは、本当にまわりの人たちに「ありがとう」といくら言っても足りないくらい良くしてもらっています。まさにタイトル通り、感謝の言葉が尽きない、すごく重みのある1枚だと思います。中には、背伸びした歌が多ければ、『Baby blue~くっついていたいよ~』や『WALK』のように、今のわたしの等身大を投影した歌も入っています。でも、今は背伸びをした歌だとしても、何年後かには背伸びをした歌が等身大となり、『Baby blue~くっついていたいよ~』や『WALK』を「若いなぁ」と言っている可能性だってあるかも知れません。それくらいどの歌も、ずっと長く歌い続けていきたいです。
わたし、夜中になるほど気持ちがネガティブになり、自分に自信を持てなくなることがあります。だけど「そんなことは言っていられない」「悩んでいる時間は無駄」「もっと多くの人たちにこの想いを伝えなきゃ」と、気持ちを前向きにしてゆくアルバムにもなりました。
――ジャケットのイラストも素敵ですよね。
櫻井 わたしの1stシングル『短篇小説』のジャケットを描いてくれた、わたしの従兄弟で漫画家の幸子ちゃんに、今回もイラストを描いてもらいました。このジャケットも、すごく気に入ってます。
――今はまさに、いろんなことが始まり出している時期じゃないですか?
櫻井 そうなんです。後になって「あのときだったんだ」と気づくのかも知れないけど。今は、いろんなことがありすぎて、頭がいっぱいいっぱいな状態(笑)。でも、振り返ったときに良い思い出として笑えるように、全部に全力を注ぎ続けていきます!!
――最後に、メッセージをお願いできますか?
櫻井 今は、みなさんへ感謝の気持ちを伝えたいのが一番です。曲を作ってくれる人がいて、楽器を演奏してくれる人がいて、編曲してくれる人がいて、やっとわたしが歌って作品になり。それを聞いてくれる人がいるからライブも出来て、次の作品へ繋げていける。誰か一人でも欠けたら、今の状況はあり得ないこと。だからこそ、ずっと感謝の気持ちを忘れずに歌っていきたいなと思います。
まさに、アルバムタイトルの「ありがとうじゃ足りないよ」という気持ちを持ちながら、わたしはこれからもライブ活動を続けますし、この作品をいろんな人たちに届けることが、今の櫻井里花を応援してくれるみなさんへの恩返しになると思っています。何よりこれから先、何か迷うことがあっても、このアルバムへ触れることで今の気持ちにわたしは戻れます。だからかな、このタイトルを見るだけで泣けてくるのは…。
TEXT:長澤智典
★映像★
◎「短篇小説」
◎「グレーのスーツのおじさん」
◎アルバム『ありがとうじゃ足りないよ』ティザー
◎アルバム『ありがとうじゃ足りないよ』試聴音源
★音源情報★
『ありがとうじゃ足りないよ』
2018年12月5日発売
品番:MIUZ-0095
発売日:2018.12.05
Label:miuzic Entertainment
定価:2,000円(税別)
Produced by 近藤薫
【収録内容】
1.タイムリミット
2.短篇小説
3.Baby blue~くっついていたいよ~
4.ありがとうじゃ足りないよ
5.グレーのスーツのおじさん
6.ルーレットを回して
7.WALK
8.おつかれさん、また明日。
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