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【連載】大石孝次の「音楽な日常」第33回

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当たり前ではあるのですが、昔の出来事は昔に生きていた人しか知らない訳です。

日頃、若い人たちと接する機会が多いのですが、当然の事ながら私が知っていても若い人たちは知らない事が沢山あります。
昔話を比喩にすることは避けるようにしながら日々過ごしております。
これはある種生活の知恵なので。

常日頃、若い人たちと接していくには、今の時流をある程度理解しながら過ごさなければいけないのです。
自分が時流に乗れないとか、今のトレンドにはついていけないなど、とりあえず考えないようにしなければなりません。
が、実際は全くと言っていいほど時流とはかけ離れているのです。
それを単純に認めてしまったり、気にしなくなったり、聞けない様になってしまったら、それはもう完全にアウトです。
だからといって、若い人たちと同じノリでやっていくのも違うのですね。
新たなミッションに微妙な距離感で接していく、そんな感じで日々過ごさないといけない訳です。

まぁ、じわ〜っとした地味目なニューメディアがワサワサっとSNSで流行っている昨今、それにビビッドに反応する若者たちの今様な感性とは無縁な世代としては、なかなかに付き合い方や吸収の仕方が難解になっていくのであります。
それに乗っかって一緒にやっているような気持ちの若い親世代の人も増えているのですが、それもまた時代の流れと言えど若者についていこう、迎合しようというキライがみえてしまい、いささかどうでしょうねと言わざるを得ない感じでもあります。
且つ又、青春時代を再び地でやってみようという方も増えていて、それこそジュリアナ、マハラジャ世代の人たちが、当時のようなエリアに集まって楽しんでいたりしているのも事実です。

そんな昨今、相憐れむ訳ではありませんが、同世代や先輩たちとの馬鹿話に花を咲かせております。
昔はテレビがメディアの中心であり、サブカルチャーとしてラジオが存在しておりました。
それぞれに役割分担がされており、幼少期から青春時代にかけてそのメディアを使い分けながら大人に近づいていったのです。
雑多な知識や当時のトレンドや風俗、時事問題から政治経済まで、一貫した情報収集が日々行われていたのです、ごく自然に。
なので打てば響くようにおバカな話題から重い話題までそれなりの知識と見解を持って話が出来るのです。

知らない人や初めての人とも、同じ空気を吸った者同士、共通の話題として様々なジャンルの事柄を共有できるのです。
良くも悪くもある種の時代性というものを共通の見識を持って体現している証でもあるのです。
テレビもラジオも黎明期から成長期、発展期から衰退期まで一通り体験した訳であります。
今は実際その威力は影を潜め、若い人たちのテレビラジオ離れはとどまるところを知りませんし、中間世代が若者と同じくテレビを必要としなくなってしまいました。
これはかなり重症な事だと感じています。

家に帰ったら先ずテレビをつける、これは昔人のやることとなってしまいました。
ふた昔前は、家に帰ったらラジオのスイッチをオンしてJ-WAVEを聴くなんて風潮がありました。
お洒落なオフィスでは必ずJ-WAVEがかかっているのが(私はこの風潮に恐怖を感じていました、ブームの平均化を感じたので)トレンドでした。
20〜25年前でしょうか。
J-WAVEが出来てしばらく経った頃の話です。

今となっては様々なサイトがその代わりを果たしたり、バラエティはYouTubeで観るからいいやとか、ドラマはオンデマンドで観るとか、自分の都合のよいシチュエーションを選択するようになりました。
時間の使い方やモニターサイズなどは個人の判断で決めればいい訳です。

それでいいんです。
個人の判断、センスでいいんです。
それが「だってみんなやってるもん」な、今どきのトレンドな訳なのですから。

個人の選択範囲が必要以上に解放されてしまい、選択肢を選ぶ力のないうちに選択する事を『村意識』の中でやり始めてしまったのです。
だって昔から未熟な子どもたちが大人の真似をしてコミューンを形成しているのですから。
ゆえに大人子ども的な取捨選択能力の低い「私は何でも知っているつもりの、自称大人(都合の悪いことに関しては大人に任せる、と子ども意識の誇示をする世代)もどき」が誕生したのです。

さてさて、最近では大人になってよかったな〜!っと、面白い事があるたびに口に出して言っております。
若い世代には真似できない大人流儀の楽しみを実感しだしております。

実際に年を取ってはみたものの、昔の大人と現在の大人では意識も風体も考えも解離しております。
なので、自分が年を取ったことや大人になったことに対しても無自覚な部分があるのです。
社会性を持った時に感じる部分であるのですが、どういう訳か自分はその自覚がかなり薄い方だと思っています。
年齢を考えると相当なモノだったりしている訳で、その無自覚さをどうとらえないといけないのか悩むシチュエーションがあったりするのですが。
とは言え、こんなご時世な訳なので、あまり悩まず同世代の連中と馬鹿話に結局花を咲かせている日々だったりしております。

同世代だから楽なだけではありません、我々の世代は実際に面白いんですよ。
若い人には知識の量が違うので伝わりにくいことばかりなのですが、その複雑で入り組んだ時勢や状況を理解している者同士だと本当に面白いんですね。
馬鹿話と言っても、様々な時代性や背景を理解していないとついてこられないお話であります。
そのトップカルチャーがテレビだったのですね。

テレビには今一度力を蘇らせて頂きたいです。
テレビの可能性を現代のサブカルチャーに持って行かれたしまったのは、とにもかくにも個人主義の世の中の若者総オタク化現象の象徴なのであります。

クレージーキャッツが演じた映画「無責任シリーズ」の主人公「平均(たいらひとし)」が、昔のように元気でエキサイティングに時代を席巻してくれたようなキャラクターが登場してくれる事を望んでやみません。

そんな不思議な時代を予見したのかしないのか、近未来の先駆け伝承者たちの曲をご紹介しましょう。

テクノカルチャーの伝道師 プラスチックス「TOP SECRET MAN」
東京ロッカーズの異端児 LIZARD「T.V.MAGIC」
エレクトロポップの急先鋒 P-MODEL「ブループリント」

それではまた、次回お会いしましょう。

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