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【連載】大石孝次の「音楽な日常」第61回

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四谷、新宿を歩く

久しぶりに打ち合わせをする為、四谷三丁目まで参りました。
一年数か月程でしたが、新宿御苑の近くに通っていいた時期がありまして、いわば慣れたエリアであります。

また、打合せ先も四谷では老舗の会社さんです。
伺うのは何年振りだろう。
割と頻繁にお邪魔させてもらっていた、長いお付き合いの会社さんであります。
そちらの会社の長い付き合いの方と、しばしの歓談をいたしました。

その次の予定まで少し時間があったので、最近ではなかなか来る機会がなかったこのエリアを少しお散歩することに。
新宿通りを四谷から新宿に向かって歩きます。
以前はちょっとした距離が長く感じたのですが、今にして思うとそれほど長く感じる事はありません。
あの当時は割とイライラしながら速足で歩いていたんだろうなと、なんとなく昔の事を思い出します。

新宿通りを進んでいくと、先にコンビニがあります。
このコンビニには一度しか入ったことはありませんが、入った日の事はやはり忘れられません。

8年前の3月11日です。
あの日は会社に14時過ぎに入って、デスクで仕事をしていた時に地震が発生したのです。
本当にビックリしました。怖かったです。

この日の出来事があるので、新宿御苑暮らしの日々の事は忘れられない思い出となりました。
夕方から新宿3丁目のライブスポットで撮影の現場を入れていたのですが、もちろん中止になりました。
電話が通じなくなってしまったので、その事を予約していたスタジオまで伝えるために向かいました。
夕方16時くらいの街に人がワサワサとで歩いていたり、携帯が繋がらなくなっていた為、公衆電話に長蛇の列が出来ていたりと、普段目にすることのない雰囲気が街に溢れております。

有名なライブハウスのリハーサルスタジオを予約していたのですが、そのお店に行くとスタッフさんたちも右往左往しております。
この時はまだ情報が錯綜しており、いったい何が起きているのか知ることも出来ていなかったのです。
とりあえずキャンセルのお願いをしましたが、そのお店もその日のライブをどうするのか決められず、対策に追われているとの事。
判断しかねるような状況でしたので。

来た道を戻りながら世間の様子を見ていましたが、新宿で電車が止まっている情報が出ており、駅が混乱しているとの情報が。
会社にはテレビがなかった為、ネットで配信されたテレビニュースを観ていました。

新宿で電車が止まるとなると、首都機能が麻痺したという事になります。
街角の開店したての居酒屋に早々に入っていくサラリーマン(会社は早じまいなんでしょうね)を多数見かけました。
誰もがまだ、事の重大さに気付けていなかった訳ですね、この時点では。
そんな姿を見て羨ましいとすら思った自分もおりました。

会社に戻ると災害の情報が次々と報告されておりました。
デスクのパソコンモニターで観ていたテレビニュースからは想像も出来ない映像が次々と流れ出します。
いよいよ、事の重大さがリアルに分かって来ました。

これは今日は家に帰れないかもしれないので、食料を確保していた方が良いかもしれないと思い、会社を出ました。
その時に向かったのが、一度しか行ったことのないコンビニです。
普段は別の店を利用する事が多かったので、このお店には来たことがありませんでした。
入ってみると同じことを思った人たちが数名おり、カップラーメンなどを買い込んでおります。
この時点でもまだ事の重大さは完全に理解できてはいなかったので、17時くらいでしたがまだ買い占めに走るまでには至っておりません。
なんとなく用心の為に食料を確保しようといった、機転の利いた人たちがこんな風に買い物をしている程度でした。
カップのラーメンや焼きソバを複数購入して会社に戻りました。

このタイミングでは近所にある飲食店などもまだ営業をしております。
18時くらいでしょうか、会社のスタッフと軽く何か食べに行こうという話になり、今一度、新宿通りに出ました。

すると…そこには衝撃的な風景が広がっておりました。
全く動けなくなっている車の渋滞の隙間を、四谷方面から新宿へ向かって人、人、人がぐわ〜〜っと歩いて来るのです。
ほぼ一方に向かって歩いています。交差点も大混乱です。

向かってくる人を掻き分けるようにして、目的のハンバーガーショップまで歩いていきましたが、歩いている人たちの表情が一様に無表情で怖い。
ある種のパニック的な様相を呈していた訳なので、精神的にも冷静ではいられない状況でした。

これはマズいと思い、会社へ戻る道で別のコンビニに行ってみると、もうその時には棚という棚から食品が一切なくなっておりました。
交通情報などのニュースでは、電車が動いていない事や復旧の目途が立たないことなど、混乱した情報が断片的に報告されているだけなので、みんな一様に駅へ直接向かって行ったのです。

実際この時に新宿駅にいた人から聞いたのは、駅は封鎖されたので近所にある新宿御苑や学校のグラウンドなど、いくつかの指定避難先へ移動するよう指示が出ていたそうです。
寒空の下、なんの知らせや報告もないまま、ただひたすらに待っていたのですが、我慢も出来なくなり会社を訪れた関係者もおりました。
会社には暖房と水道とトイレはありますので、過ごすには全く支障はありません。

そして、ここから長い夜が始まっていったのです。
話は大分ずれてしまいましたが、新宿通りを歩いていると、必然的にあの日の事を思い出さずにはいられないのです。
この会社にいる間には、もっと沢山の出来事があったのですが、やはりこの日の事が記憶の中に焼き付いてしまったのです。

それからしばらくの間は節電の為、新宿のネオンが消えていた時期に入ります。
電車が動き出した時は本当に嬉しく思えました。

三陸鉄道がいよいよ全線開通しましたね。
交通機関は生命線なので、動いているという当たり前の事が、決して当たり前はでないという事に、感謝の気持ちを改めて思います。

まだ新宿通りを300mほど歩いただけですが、こんな事を思い出してしまう新宿通りなのであります。
ここから新宿3丁目を目指して歩いたのですが、その予約をしていたライブハウスの入口に行ってみました。
平日の今日でも、昼の部のライブが元気にスタートしているようで、ほっとした気持ちになりました。

まだ16時前ですが、今日はこの後18時からバンドのライブを1本観に行く予定なので、それまでの時間を新宿末広亭の周りで少し時間つぶしをしようかと思います。
夕方のこの時間、だんだん色っぽくなっていく街角のディープゾーンに、たまには飲み込まれてみようと思います。

そんなトワイライトタイムに相応しい1曲は、大好きなアメリカン・ロックの名曲。
John Cougar Mellencampで「Check It Out」

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