「日常」へのリハビリ
みなさんこんにちは。
イメージングディレクター/フォトグラファーの芳田賢明(よしだ たかあき)です。
ラジオのレギュラー番組だと思っていろいろ書いてみる、連載「memorygram」第66回です。
大学を卒業して1ヶ月。「プライベート」というものが戻ってきました。
勉強も制作も、それなりに息抜きしながらやっていたつもりでした。
ですが、急に自由になって、オフに何をしたらいいのかわからなくなって、勉強しないことへの罪悪感を自覚して、無意識に「遊んじゃいけない」と自分を縛っていたのだと気づきました。
しばらくは「もういいんだよ」と自分に言い聞かせる日々でした。
大学生だった期間は、コロナと重なったのもあると思いますが、人と会うことも連絡を取り合うこともほとんどありませんでした。
それが、卒業した途端にいろいろな人と連絡を取り合うようになり、すごく不思議な感じです。
これまで連絡を取らないようにしていたつもりもないし、卒業を機に連絡を取るようにしたつもりもないのです。
そう考えると、「自分にプライベートがない以上、人と関わることはできない」と、無意識にシャットアウトしていたのだろうと思います。
卒業して気持ちの余裕が出てきたことで、「人が来てくれないのは、自分が人を避けているからだ」ということがわかる気がします。
人から誘われたければ、人から連絡が欲しければ、自分から社交的にならないといけない。そんな当たり前のことを実感しています。
「人と交流する」ということを思い出すと、「寂しい」という感情が戻ってきます。
ある意味、ずっとしまい込んでいた感情。
今はとにかく人に会いたい、人と話したい、という感じです。
先日、「卒業の前と後で顔つき、目が変わった」と言われました。そういうことなのかもしれません。
それと、最近出会った方から映画や小説を勧めてもらい、数年ぶりに触れています。
本は読んでいたものの勉強に関わるものばかりで、小説などは最後にいつ読んだかわからないくらいでした。
思い切ってAmazonプライムに入ってみると、見たいと思ったまま見ていない映画がたくさんありました。
気の合う方からの推薦だったので、映画も小説も面白く、クリエイターとして刺激を受けました。こういうのが足りなかったんだなと。
これからは、映画を見ること、小説を読むことを、再び習慣にしたいと思います。
そして、音楽もずっと決まったものばかり聴くようになっていたので、いろいろ探してみました。
back numberはもともと好きなんですが、「冬と春」この曲すごいですね。涙が出ました。
https://youtu.be/hu6y1ol9yUg?si=Mj8db7pmMq5Ij6bR
MVにもすごく刺激をもらいました。ずっとクリエイターでいなきゃダメだと思いました。こういう時間を取れていなかった。
カメラを持たずに街を歩くこと、好きな人に連絡をすること、ただ楽しいから人と会うこと。
目的もなく旅をすること、時間をかけて小説や映画に触れること。
そんな「日常」へのリハビリが始まったのだと思います。
そしてその「日常」こそが、芸術史や芸術論を学ぶよりも遥かに創作に必要なのだと。
これから再出発です。
【プロフィール】
芳田 賢明(よしだ たかあき)
イメージングディレクター/フォトグラファー。
「クオリティの高い撮影・RAW現像で、良い写真を楽につくる」をテーマに写真制作ディレクションを行っている。撮影ではポートレートや舞台裏のオフショット撮影を得意とする。
Webサイト…https://atmai.net/
Instagram…https://www.instagram.com/takaaki_yoshida_/
芳田賢明 著、プロカメラマンに向けた[仕事に即役立つ本]
「誰も教えてくれなかった デジタル時代の写真づくり」
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