ライカの話(1)
みなさんこんにちは。
イメージングディレクター/フォトグラファーの芳田賢明(よしだ たかあき)です。
ラジオのレギュラー番組だと思っていろいろ書いてみる、連載「memorygram」第2回です。
今私がメインで使っているカメラは、ライカのM10という、レンジファインダー型のデジタルカメラです。
撮影していると、「それってミラーレスですか?」と聞かれることがしばしばあるのですが、「確かにミラーは無いのだけど、いわゆるミラーレスとは違って…」と説明を始めると、だいたいの人は顔にハテナを浮かべてしまうという、そんなカメラです(レンジファインダーカメラの良さ、みたいな話はおいおいします)。
M10の前はM9(をM9-Pにアップグレードしたもの)をメインに使っていましたが、M10は撮影条件が悪い中でも安心して使えるので、今年夏に購入後、あっという間にメインになりました。
この連載のキャッチ画像の写真も、車の中からM10で撮ったものですし、ライカで撮影したたくさんの写真がこれまで6notesに掲載されてきました。
今後はM9-PとM10の2台体制でいきます pic.twitter.com/ULS4ZfnjrR
— Takaaki Yoshida (@takaakiyoshida) July 31, 2018
以前から、スナップはコンパクトカメラ、ライブとスタジオは一眼レフ、というふうにカメラを使い分けています。
一眼レフはデジタルを使い始めて以来ずっとニコン。フィルムの頃はミノルタだったんですけどね。
コンパクトカメラはリコー、富士フイルムと使ってきたのですが、それが今はライカになっています。
さらにスナップだけでなく、ロケでのポートレートは確実にライカになりました(その辺のお話はおいおいします)。
今では、自分にとって最高の相棒となったライカですが、その出会いはどんなものだったのか。
高価で手が出ないはずだったものがどうして相棒になったのか。
そして、2台を所有することになったM型ライカの良さとは何なのか。
そんな話を何回かに分けてしていきたいと思います。
さて、初めてM9に触れたのは、実は発売直後。ライカ銀座店に触りに行っています。
9年前のことなので、今ほど機材にお金を掛けられる状況ではなかったのですが、デジタルのM型ライカがフルサイズになってどんな感じになっているのか触れたくて。
ライカオーナーでもない若僧には敷居の高いお店でしたが、当時の彼女がフォトグラファーだったこともあり、一緒に行ったのでした。
触った感想、何となく今でも覚えているのは、「これ以上触ったら、欲しくなってしまうから良くないぞ」みたいな感じ。
ちなみに私がM9について初めてツイートしているのが
M9をボーナス一括払い出来るくらいの給料が欲しい。(一生むり)
— Takaaki Yoshida (@takaakiyoshida) November 22, 2009
だいたいこの頃のことだったはず。
それから5年後。
それまで「欲しい」という感情は起こらなかったのですが、当時の私はフォトグラファーの活動を休止して、レタッチャーとしての活動に専念していた時期。
「仕事として(商業写真の)撮影をしないのなら、もうカメラは趣味的なものだけでいいんじゃないか」と思うようになっていたんです。
そこでちょうどいいんじゃないか、と思い始めたのがライカだったのです。
その頃の私のライカに対するイメージは、「仕事でバリバリ使うカメラ」ではなく、「趣味的に愉しむカメラ」みたいな感じ。
今のように一眼レフ以上に仕事で大活躍するなんて想像もしていなかったわけです。
そしてさらに同時期、ある出来事をきっかけに、状況は大きく変わっていくのですが…
そこからのお話は、また次回に。
【プロフィール】
芳田 賢明(よしだ たかあき)
イメージングディレクター/フォトグラファー。
「クオリティの高い撮影・RAW現像で、良い写真を楽につくる」をテーマに写真制作ディレクションを行っている。撮影ではポートレートや舞台裏のオフショット撮影を得意とする。
Webサイト…https://atmai.net/
Instagram…https://www.instagram.com/takaaki_yoshida_/
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