Professional

【連載】芳田賢明「memorygram」第14回

title_yo

9年ぶりのGR

みなさんこんにちは。
イメージングディレクター/フォトグラファーの芳田賢明(よしだ たかあき)です。
ラジオのレギュラー番組だと思っていろいろ書いてみる、連載「memorygram」第14回です。

買いました!
APC_0505
Leica Q2ではなく、RICOH GR III。

なぜ結局GRになったのかというと…
自分が撮るべきものを再認識した、という感じでしょうか。

この話は改めてどこかできちんとしたいと思っているのですが、本来私が撮ろうとしていたものは、
「嘘」ではなく「本当」
「他者」ではなく「自己」
「特別な時」ではなく「日常」
だったはず。
このところなんとなく違和感を感じ始めていた中で、ある知人の写真展に足を運び、それを思い出したのです。

それには、Q2よりももっと小さく、もっと目立たなく、常にバッグに入れておけるカメラでないといけない。
そして、RAWデータには「私の画」にできるポテンシャルがないといけない。
それに適うものは結局GRだったということです。

もともとリコーのカメラは設計思想から好きで、RAWデータのポテンシャルも高く、GX8、GX200、GXR、GR DIGITAL IIIと使ってきました。コンパクト機はずっとリコーでお決まりだったのです。
それがGR DIGITAL IIIで途切れ、FUJIFILMのXシリーズに切り替えたのは、ユーザーの間では有名な「レンズ交換式じゃないのにセンサーダストが入る」という問題。
もう何度も修理に出し、その都度センサーユニット交換、センサー交換だから保証期間が過ぎれば高額な修理費用がかかり、「もうやってられない」と愛想が尽きたのでした。

しかしGR IIIではセンサーシフトによるダストリムーバル機能が搭載されたこと。そして、どうやらセンサーダスト修理はセンサーユニット交換ではなくクリーニング対応のようだということ。ならばもう一度リコーに戻ってみようか、と思ったのです。

RICOH GR IIIを買ってから早いもので9年ぶりのGR購入。
センサーが大きくなり、いろいろな機能も盛り込まれましたが、手にしてみればよく知っているGR。早速スナップへ出かけました。
(このときの撮影写真は現在私のInstagramで毎日更新中です)

_R000009

_R000066
 
使ってみて改めて感じたのは「やっぱGRすごいな」ということ。
まずとにかく軽い。普段ライカを使っている身からすると、もはや無です。
長時間撮影していても苦にならないし、ポケットにカメラが入るというサイズもやはり良いです。

_R000080

_R000117
 
私のスナップ撮影のスタイルは、立ち止まらず、カメラを構えずノーファインダーで、振り回すようにして撮ります。でもさすがにライカは重くて振り回せない。それがGRなら振り回せる。これがとにかく良い。
レンズシャッターの「プチッ」って音も良いし、これなら本当にストレスなくスナップできる。
スナップは受け身ではなくアグレッシブに撮りにいくべきだと私は考えているのですが、その本当の意味を思い出した気がしました。
スナップはやっぱりこれじゃないとダメか、と。リコーが「究極のスナップシューター」を標榜するだけのことはあります。

_R000131

_R000167
 
振り回すように撮るにはAFなんてものは使っていられないので、GRの場合は基本的に置きピンです。
そこで便利なのがフルプレススナップ。GR DIGITAL IIIを使っていた頃から変わらず、やはり良いですね。
合焦距離を1.5m程度にしておいて、F5.6まで絞れば、大体のものは撮れます。

_R000197

_R000219
 
この撮影で、本来のスナップの感覚を少し取り戻せた気がします。
この感じなら…2020年こそ個展の開催が実現できるかな!?


【プロフィール】
芳田 賢明
(よしだ たかあき)
イメージングディレクター/フォトグラファー。
「クオリティの高い撮影・RAW現像で、良い写真を楽につくる」をテーマに写真制作ディレクションを行っている。撮影ではポートレートや舞台裏のオフショット撮影を得意とする。
Webサイト…https://atmai.net/
Instagram…https://www.instagram.com/takaaki_yoshida_/


dgpc_cover
芳田賢明 著、プロカメラマンに向けた[仕事に即役立つ本]
「誰も教えてくれなかった デジタル時代の写真づくり」
好評発売中

(honto)
https://honto.jp/netstore/pd-book_29714615.html
(ヨドバシ・ドット・コム)
https://www.yodobashi.com/product/100000009003153309/
(Amazon)
https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4870852349/


関連記事

  1. title_yo 【連載】芳田賢明「memorygram」第33回
  2. dela フルメンバー 名古屋アイドル「dela(デラ)」夏色全開の7th Single…
  3. titleimg2 【連載】大石孝次の「音楽な日常」第128回
  4. titleimg2 【連載】大石孝次の「音楽な日常」第44回
  5. titleimg2 【連載】大石孝次の「音楽な日常」第110回
  6. titleimg 【連載】大石孝次の「音楽な日常」第2回
  7. titleimg 【連載】大石孝次の「音楽な日常」第5回
  8. titleimg2 【連載】大石孝次の「音楽な日常」第96回

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

ピックアップ記事

  1. 無題72_20230531141207
  2. DSC05659
  3. MACO「ラブソング」アーティスト写真
  4. title_yo
  5. LINE_ALBUM_95_230914_10

特集記事

  1. 70.(XANVALA)から、Λ(ファン)たちへ向けたメッセージが到着!! 繧、繝ウ繧ソ繝偵y繝・繝シYuhma
  2. Siriusは、夜空で一番明るく輝く星と言われています。私たちも、その名前に羞じないバンドになりたくて、Siriusと命名しました。いつかSiriusが一番のガールズメタルバンドだと言われるくらい、みんなが燃えるバンドになれたらなと思っています。 Sirius集合
  3. 涙を隠した笑顔が、興奮という思いで胸を掻きむしった、 コンビニ推進アイドル(仮)、第一部ラスト公演。 IMG_5575
  4. ぶっトび!パンデミックから超鉄板曲のサブスク解禁!メンバー生誕公演の解禁も! ぶっトび!パンデミック
  5. 元CRAZE二代目ヴォーカリストの緒方豊和。16年ぶりに自身のバンドTUBTRACKの音源を発売!! 「この5曲を一つの流れを持って響くことで生まれる(心揺さぶる)ドラマをぜひ感じてほしい」と語る、今の時代に突きつけた胸を揺さぶるメッセージとは…。 TUBTRACK 

スポンサーリンク

Push!!

  1. 70.(XANVALA)から、Λ(ファン)たちへ向けたメッセージが到着!! 繧、繝ウ繧ソ繝偵y繝・繝シYuhma
  2. Siriusは、夜空で一番明るく輝く星と言われています。私たちも、その名前に羞じないバンドになりたくて、Siriusと命名しました。いつかSiriusが一番のガールズメタルバンドだと言われるくらい、みんなが燃えるバンドになれたらなと思っています。 Sirius集合
  3. 涙を隠した笑顔が、興奮という思いで胸を掻きむしった、 コンビニ推進アイドル(仮)、第一部ラスト公演。 IMG_5575
  4. ぶっトび!パンデミックから超鉄板曲のサブスク解禁!メンバー生誕公演の解禁も! ぶっトび!パンデミック
  5. 元CRAZE二代目ヴォーカリストの緒方豊和。16年ぶりに自身のバンドTUBTRACKの音源を発売!! 「この5曲を一つの流れを持って響くことで生まれる(心揺さぶる)ドラマをぜひ感じてほしい」と語る、今の時代に突きつけた胸を揺さぶるメッセージとは…。 TUBTRACK 

New Comer

XT040192 SAY-LA、東名阪ツアー、ファイナル公演レポート!!

 4月よりスタート、SAY-LAの東名阪ワンマンツアー「東名阪SPRING ONE MAN TOUR…

AC0I7218 新生Empressが描いた生まれ変わった明日の景色は、まさにキラキラと希望という輝きを放っていた。彼女たちがこれからどんな明日の地図を描きだすのか。その景色を一緒に見たくなる始まりが、そこには生まれていた。

新体制第一弾柵となったシングル『Rebuild』を手に,Empressが初となる全曲披露ワンマン公演…

S__44957714 XANVALAのライブには、”ざんばら”と乱れ舞う無数の髪が波打つ景色がとても似合う。XANVALA、3周年公演でついに声出し解禁!!

結成から丸3年。1月31日にXANVALAは、渋谷clubasiaを舞台に、ワンマン公演「XANVA…

PAGE TOP