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【連載】大石孝次の「音楽な日常」第23回

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この夏のビール問題。

今年のビール消費量は世界的に低下しているそうです。
ビール離れ、価格の上昇、ハイボールやサワー類などの売り上げ増加、大手からクラフトビールへの変化などなど…
理由はいろいろあるそうです。

特に注目はクラフトビールの台頭ですね。
ビール製造免許のハードルが下がってからもう何年たったのでしょうか?
いわゆる地ビールというものが誕生して相当年月は経ちました。
正直、クラフト界でも多くの人に受け入れられるまでの道のりは相当に大変だったのです。
確かに正直「これでは〜…」みたいなものも昔は多かったのも事実。
ヤッホー、銀河高原、エチゴ、辺りは早くから流通させ、その努力が実った方々ですね。

今となってはマイクロブルワーも数多く登場し、そして味も確かなものになりました。
日本のビールは長きにわたり大手のみが牛耳っていた訳で、ビールの在り方の定義づけがず〜っと変わらなかったのです。
ピルスナータイプがスタンダードとされ、昔は季節商品の生ビールと黒ビール位しか種類はなかったのです。
生ビールは夏にしか登場しないモノだったことは、今の40代でも知らない人も多いだろうと思います。

大手しか作ることが出来ないのであれば全くもって独占市場な訳です。
その中でも商品開発や季節商品、スポット商品など、数少なかった輸入ビールの登場やブームなどへの対抗策が展開されました。
そして遂に登場した問題作が「ドライ」です。
簡単に言うと、クラフトビールの真逆にいる中身なのですね。
日本人は世界におけるビール事情について、それほど興味も知識もなかったのです。
その中で日本のビールのイメージを極限までエッジングした商品がドライです。

ドライが主流になり総出荷でもトップに君臨してから幾年月…
ヱビスやクラシックラガーのように古典的製法を守ったしっかりタイプ、プレモルのようなクリアで落ち着きのあるタイプなどアンチドライ派の評価もゆっくりと浸透し、ドライや第二第三のビールのように気軽にごくごく飲む普段飲みタイプが、時代の流れとアルコール離れと相まって主流から離れつつあるように感じます。
ビールに対して味わいを求めるビール好きが増えております。

5年前と比べてクラフトビールを扱っている飲食店が確実に増加中です。
まだまだブームもあってか増えている真っ最中ですね。
ビアフェスも定番化されてきましたね。こちらも以前に比べると参加者もずいぶん増えたように感じます。

また飲食店も多様化されてきました。
バルタイプの店がずいぶんと増えました。
その先駆けだったのが横浜の野毛にあるお店です。
出来た時にはいいところに目を付けてなぁと思って傍観しておりましたが、気が付いたら大人気に。
いつ行っても満席(スタンディングですが)で入れない状態です。
噂はすぐに広がり至る所でバルが登場するようになり、市民権を得たわけです。

その前にも、ピンチョスを仕掛けたお店が都内にありました。
なかなか狙い通りにはいかなかったようですが、バルのようなメニュー構成は日本人にマッチしたのです。

イタリアやスペインにも美味しいビールはありますが、日本のビールと近い味わいなのでイタリアやスペイン料理と日本のビールはマッチするのですね。
そこにクラフトビールなど多様な味のビールの選択が出来ると、これまた楽しみが広がるわけあります。

自分の若い頃に今のようなビール文化が日本にあったら楽しかっただろうなと思います。
その当時は輸入ビールがその代わりをしてくれていましたが、アメリカンビール(大手ですね)やヨーロッパでも大手のもの位しかなかったのです。
軽くて爽快な輸入ビールがほとんどでした。バドワイザー、クアーズ、プリモ、シュリッツ、オリンピアなど。
現地からの本当の輸入しかなかったので、船便で数か月かけて渡って来たビールは全て酸化したような味がしました。
コロナにいたっては便でメキシコからやってきたのですからすごいです。
今ではライセンスで世界各地で作られているので、あの頃の味はもう体験することは出来ません。

アメリカはどこへ行ってもバドワイザーと思っているかもしれませんが、アメリカもマイクロブルワーが沢山あるのです。
大手が輸入しているブルックリンラガーやアンカーシリーズなどは旨みのある良質なビールです。

さて、夏も第4コーナーを回った今、秋に向けてどんなビールを飲みましょうか?
最近のお薦めはホワイトビールタイプの「ヱビス華みやび」です。
ヒューガルデンも昔から素晴らしい営業活動を展開し市民権を得たヨーロッパビールです。
ホワイトビールとしてはヒューガルデンがポピュラーですが、さらに飲みやすく優しいけれどどっしり感も持っているヱビス華みやびは良く出来たビールです。

そんなヱビス華みやびを飲みながら聴きたいのは夏の勢いをそのままに涼しくなりつつある夜を彩る、まだまだ眠れない夜が続きますよ的な曲で。
Hank Mobley「Roll Call」。アルバムタイトルチューンです。
1曲目に相応しいハードバップにグッときますね。
メンバーも最強でブルーノートならではのアルバムです。
こんな曲を聴いちゃったら、ビール一杯ではすまないですよね(笑)

写真はベルギーのボックタイプのビールです。
コクがあってうまい〜!冬にお薦めです、夏でも美味いけど!

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