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【連載】大石孝次の「音楽な日常」第31回

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『2018年にむけて想う事』

随分と沢山の年月を過ごしてきたので、一年の終わりを迎えようとしても以前のような感慨は薄くなってきました。

年末年始が一年の中で最も好きな時間なのですが、それを主張する年齢でもなくなってきましたね。
でも、一年を締めくくり、そして期待と希望を願い新しい年を迎える。
365回分の出来事を改めてリセット出来る唯一の日が元日だと思うので、感受性が鈍った状態で新年は迎えたくありません。
大晦日に「ただの昨日の続きの今日と明日」などと、人生に価値を覚えないような日々の過ごし方をするようにはなりたくありません。

子供の頃は冬休みに入ると一種異様な緊張感を持って日々を過ごしました。
新年を迎える事は一大事だと思っていましたね。

楽しい楽しいクリスマス。キラキラ電飾が点滅していたツリーが仕舞われます。
そこからの一週間は独特の空気感があり、師走もいよいよ最高潮と言うような年末ならでは慌ただしさ。

一年に一度しか登場しないものが現れる喜びを実感します。
駅前には年に一度だけ登場する伝統のしめ縄売りのテントが作られ、百貨店の入り口には門松が設置されます。
年末の買い出し。お正月用の食材やお飾りなど、新年を迎える準備に毎年家族で買い物に行きました。

もっと子供の頃は、12月29日か30日に、父が兄と私の二人を連れて映画を観に行きます。
その当時に封切られた007シリーズのリバイバルを観に行くのが定番でしたね。
憶えているのは「ロシアより愛を込めて」「ゴールドフィンガー」など。
まだ字幕も読めない頃でしたが、その頃から妥協なく映画の英才教育を受けていました(笑)

今と違って春、夏、冬休みの時期には、テレビで子供向けの番組を朝から放映していましたので、それも楽しみの一つでした。
普段は観られないアメリカのアニメなどを大量放映してくれるので、毎日楽しみに観ていました。
今となってはカートゥーンネットワークのクラシックな番組達です。
「チキチキマシン猛レース」をはじめ、お馴染の作品達が子供の心をわしづかみにしておりました。
どちらかというと夏休みが中心でしたが、春や冬の短い休みにもそんなサービス番組は嬉しかったです。

大晦日はさらに独特の雰囲気がありました。
母が作るおせち料理がいろいろな香りを漂わせ、そして重箱に詰められていきます。
お屠蘇が用意され、お雑煮の準備が出来れば完成です。

夕方になると何故か落ち着かなくなり、高揚した気持ちの中で18時からはレコード大賞が始まります。
裏番組では「コント55号の紅白歌合戦をぶっ飛ばせ!」が始まります。生放送で野球拳をやるという、お笑いの常識を破った最初の番組でした。
そしてレコ大の大賞曲が発表されエンディングを迎えると、出演していた歌手の人達がNHKホールへ移動する大騒ぎはまさに季節の風物詩でした。

唯一、子供が遅い時間まで起きていてよかった大晦日(我が家では)、ゆく年くる年が始まると静かにやって来る新年の足音を子供ながらに感じる事が出来ました。

ネットも携帯もスマホも何もない時代。
唯一のメディアはテレビとラジオ。
学校も休みに入れば来年まで友達と会うこともありません。

今のような、いつでもどこでもだれとでものような風潮はなく、長期の休みの間は友達と会うこともなかったのです。
まるで禁じられていたかのように。
その間は、家族だけと向き合う特別な期間だったのです。
ゆえに、休み明けには特別な感覚がありました。

子供同士が個人的に連絡を取るという事が、今ほど簡単な事ではなかったのですね。
そう思うと、塾だのなんだのや、時やところ構わず子供たちが大人顔で闊歩するようなことは、まったくなかったのです。

子供は子供のままなのに、大人の真似をして行動したり、大人子供の親がそれを認めたり。
昔より子供たちは早く大人になってしまうのかもしれません。

クリスマスも年末もお正月も、お年玉をもらう以外は別に楽しくない現金主義の子供が多いそうです。
そう思うと、自分が子供だった頃は、大人と子供の境界線がハッキリとしていました。
親戚と会う事や、微妙な年齢差を社会的な秩序として学ぶ事、家族親戚付き合いの中に小さな社会が存在していました。
だれでもおんなじ、なかよし、みたいなノールールでは決してありませんでした。

だからこそ、大人になることに憧れ、背伸びをすることで羨望と未熟、焦りや失望などを経験していった訳なのです。
わりと身近な地元の先輩たちと話していると、やはりみんな同じような感覚を持っていているので共感することが多いです。
ところが、大人になったその子供たちは、大人になっても子供の頃のままに、今でも馬鹿な事を繰り返しやっております(笑)
自分たちが憧れていた大人とは、多分ほど遠いような気もしますし、案外そうでもないのかもしれません。
それは誰もはかることは出来ないので、お酒を飲むときの楽しいテーマとしてこれからも研究していくしかないのです。

と言うような訳で本年も一年間、無事に連載を続ける事が出来ました。
これもひとえに、おおらかに連載のプラットフォームを提供いただきました6notesさま、編集長さま、編集さまのおかげでございます。
今年もお手数おかけいたしました!
そしてなにより、ご拝読いただきました皆様のおかげでございます。
2017年中、ありがとうございました!

さて、2018年がやってくる訳でありますが、来年も激動の1年になることが必至なのであります。
予定通りに動いたらですが。
さてここで、来年の目標など立ててみたいと思います!
普段は絶対にやらないのですが、来年に向けての決意表明という事で!

2018年は…

『学ぶ』

という事で、改めまして学んでいきたいと思います。

新たなるステージにまいります為には、初心に返り学んでいこうじゃないかと思っている所存であります。
そんな2018年が皆様にとって、これまた素晴らしき一年でありますように。
もちろん自分たちにとっても最良の一年になりますよう、じわ〜っと努力し歩んでいきたいものであります。

大晦日に更新予定の「年末総決算ありがとう&新年最高だねスペシャル」でお逢いいたしましょう♪

それでは良いお年を!

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