「奇妙な理屈と理不尽な世界」
アメリカのテレビシリーズ「アンブレラ・アカデミー」を一気観しました。
奥行きのある映像、的確に選択された音楽、サイキなストーリー、サイコな演出。
今までに体験したことのない理不尽な物語に引き付けられました。
流れについていくので精一杯。
次々に繋がるザッピングストーリーが繰り返され全て不問に付すセオリー。
裏切りなんて思っていたら何も始まらない。
ストーリーが納得できなければ許せないよって方には絶対にお奨めしない作品です。
ここではそれでいいんです、それで。それが不条理ってものですね。
とまあ、おおざっぱな感想を述べましたが、とにかくひっちゃかめっちゃかという印象です。
まともに観ていると疑心暗鬼になるような、ある意味ではタチの悪い作品です。
犯罪や殺人、暴力にセックスにドラッグ、マイノリティに超能力に怪奇現象にサイボーグ。
クラシックとポップスとロックをミクスチャーしたような内容です。
その世界観を好きになれたとすると、相当にハマる作品であります。
当然のことながら…ハマりました。
3シーズンあるのですが、シーズンが進むにつれて不条理さは増していきます。
1シーズンが終わった時点ではまだ納得が出来る終いだったのですが、それは違いました。
2シーズンに入ることによって更なるマルチエンディングの扉が開かれるという不条理さ。
何じゃこれは!っと思いつつも超面白いんです。
納得し理解している暇もない展開。
全てを受け入れる受容性がこちらに求められているのです。
序盤では受け入れがたい7人の兄妹のキャラクターや関係性を最後まで不安な気持ちのままで見続けます。
そのキャラクター間ですら裏切られる展開が待っているのです。
とんでもねぇ!という事ですな。
とにかくこの不条理劇に興味を持った方にはぜひ観てもらい!共有して頂きたい!
こんなにお奨めしにくくて、お奨めしたい厄介な作品は他にないよぁ。
メインキャストはあまり知らない役者さんばかりですが、敵役でメアリー・J. ブライジが登場します。
これまた凄い凶悪なキャラクターでマジでビビります。ハマってます。
それと1シーズン目に出てくるドーナツショップ。
そこの店主の女性がダイハード2でTVリポーターをやっていた役者さん。
年輪を重ねて良い味をだしています。
そしてこの作品を決定づけるキャラクターである7号のヴァーニャ。
この作品と共にヴァーニャ役のエレン・ペイジの人生とキャラクターの2人に、超絶びっくりで劇的なことが起きます。
これはぜひ3シーズンを通して観て頂き、ご自身で確認して頂き、観終わってから調べて頂きたいです。
かなりショッキングなこと請け合い。
いま再びシーズン1から観なおしております。
分かりにくかった部分が明確になって理解できるので、2周目も十分に楽しませてもらっています。
シーズン3でストーリーは決着し、納得はしにくくても大団円という感じになっています。
シーズン4制作の噂もあるそうですが、もしも出来るのならば楽しみですね。
最後に、この作品を盛り上げる劇中に流れる音楽達。
そのセレクトは秀逸で奇想天外。
なかなかに鋭い選曲にワクワクします。
その中の1曲を聴きながらお別れしましょう。
ドイツのアーティストが本国で大ヒットし、それに合わせて英語版をリリース。
そちらもアメリカでヒットしチャートインを果たした曲です。
ピーター・シリングで「Major Tom」
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