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【連載】大石孝次の「音楽な日常」第101回

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昭和、ありし日の憧憬

昭和生まれの者として、あの頃は良かった的な発言をする事がどうしてもあります。
昭和と令和では世の中のシステムも変化しましたので、比較のしようもありませんけど。

時代が進んで令和になり、昭和でイメージしていた未来の産物が現実に存在するようになりました。
産まれた時からそれが存在している人たちには、それが存在しない事の方が想像しにくいのです。
スマホやアップルウォッチ、タブレットに有機ELのテレビ、電気や水素の自動車、
などなど。挙げればきりがありません。

時代のニーズというものがあります。なので古典でもその時々の流行りでも否定することはありません。
しかし、昔のモノの中に「面白いもの」がたくさんたくさんあったりするのは事実なのです。
現代の感覚とはマッチしない部分が多いですし、面白さ自体が変化しているのも事実。
でも、オールドスクールには変わらない面白さの原点があるのですね。

最近、アナログレコードが徐々に人気になっているとか。
長年レコード屋をやっていた者としては、キチンとレコード盤の取り扱いが出来る人はヒトツマミしかいないと言い切ります。
これを言い出すとキリがなくなるので割愛しますが、でも一言だけ。
アナログを聴くと「プチプチいうのがいいよね」とか言いますが、それって汚れの音ですから。残念。
取り扱いが悪いからすぐにプチプチいうようになっているのですよ。以上。

何度か行われた引っ越しの際に、徐々に数を減らしていったアナログ盤の在庫。
LPは極少数、シングルも100枚程度になりました。

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その中から目隠しランダムに引いたものについて話そうと思い、試しに引いてみました。
そこで出てきたのが「お化けのロック」でした。
歌は郷ひろみさんと樹木希林さん(「悠木千帆改め」と表記)。

この曲はTBSのドラマ黄金期の傑作シリーズ「ムー」の挿入歌。
ベストテンにもチャートインした楽しい曲です。
ドラマの中で、歌のコーナーのようなシーンがあり、屋根裏(地下?)部屋のようなところで2人が歌います。

カップリングは「帰郷」、こちらがA面なのですが、ドラマのおかげでチャートインしたのは「お化けのロック」でした。
「帰郷」もドラマの挿入歌として使用されましたが、流行歌っぽくはないので物思いにふけるようなシーンにインサートされていました。

ムーの放送中に悠木千帆から樹木希林に改名をされたのでしたね。
金田と書いて「かねた」さん。超絶ファンキーなお手伝いさん役です。
寺内貫太郎一家ではお婆さん役でしたが、金田さんの強烈パンチの効いたキャラは本編を幾度となく荒らすのです。

浪人生役の郷ひろみさん演じる「拓郎」さん。当時の人気者である吉田拓郎から拝借したお名前。
この拓郎さんを時のアイドルが演じ、ユニークでカッコいいけど2.5枚目というキャラ付けが最高。

新富町の足袋屋さんのホームドラマであり、日常性と奇抜な発想とが同居するコメディでした。
左とん平さん演じる「野口五郎」さんという名前も革新的でした。

第一期のシリーズが人気を博し、第二期「ムー一族」が制作されました。
その際も郷ひろみさんと樹木希林さんのコンビでの歌のシーンがありました。
大ヒット曲となった「林檎殺人事件」です。

単なる造りのドラマにあらず、居酒屋のシーンではそのシーンの挿入歌「世迷言」「男と女・昭和編」
お手伝いのかよちゃん(岸本佳世子 新人とテロップに表記されていました)が屋根に上って歌う「北風よ」
健太郎さんが一条さんの奥さんと偲び合うシーンでは「しのびあいのテーマ」
メインテーマ曲はクリエイションの「真夜中のレオ」など、名曲が多数誕生しました。
オープニングの映像に使用されていたアートなイラストレーションで、初めて横尾忠則さんと出逢いました。

今にしても、この作品を通じて多く知り、学び、身についた感性や感覚は、大いなる影響であると思います。
ドラマは本当に面白くバカバカしく、切なくて泣ける訳ですね。
日常と非日常を織り交ぜて、自分もドラマの中の茶の間にいる感覚になるのです。

そんなドラマ、今はないですよね。
家族や使用人たちが集まって食卓を囲み、みんなで一緒にご飯を食べる。
これ自体が今はなくなってしまったようですし。
コロナ禍で少しそれが戻ってきたのなら、それはとても良い事だと思います。

なにか前にも書いたような気がする内容になった気がしますが、気のせいって事で。
100回を廻ったので別に大丈夫ですよね。

さてさて、そんな黄金のホームドラマを思い出しながら、ぜひ聴いてもらいたいと思います。
郷ひろみ・樹木希林で「お化けのロック」。

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