雨撮影は大変だけど好き
みなさんこんにちは。
イメージングディレクター/フォトグラファーの芳田賢明(よしだ たかあき)です。
ラジオのレギュラー番組だと思っていろいろ書いてみる、連載「memorygram」第15回です。
ライカを使うようになって、雨や夜の撮影が好きになりました。
それは、ライカは光の機微や表情を肉眼で見ている以上に捉えてくれるから。
もちろん昼間や自然光での描写も素晴らしいのですが、雨や夜の撮影で得られる儚さのようなものは、私が追求している「memorygram」と合致するのです。
それに合わせるかのように、雨や夜の撮影の機会に定期的に巡り会います。
何か事情がある以外、「雨だから中止」にはしません。その日が雨だったという事実を含めての写真だし、雨だから撮れる写真があるはずです。
年末、みやのねりさん(https://twitter.com/1wan2nyan3)の新作を撮影してきました。
昼と夜にロケで撮影したのですが、夜は完全に雨となりました。
昼の撮影を終えて、ショッピングモールで休憩しつつ、夜の撮影をどうするか考えます。
カメラは防滴のM10、レンズはなるべく気を遣って撮影するとして、ただしフラッシュが濡れるのはヤバい。
フラッシュを何かで覆うか、あるいは街灯などを活用してノーフラッシュで撮るか悩んでいたのですが、手に持っている傘袋を見て閃きました。
傘袋の先端をちぎれば
フラッシュにかぶせられるのではないか。
やってみたらあまりのジャストフィットに笑いました。
(真似される方は自己責任でお願いします)
使ってみると、ちゃんと雨よけになると同時に、適度なディフューザーにもなって良い感じ!
風もあったのでレンズ面にも雨粒がたくさん付着したのですが、これがまた絶妙なソフトフィルターになる。
レンズ面の水滴を拭いても伸びてムラになるし、プロテクターをつけているのでそのまま撮影続行。
しかしファインダー部分にも雨粒が付いているので、逆光だともうほとんどピントが見えない!
適宜ハレ切りしつつ、もう感覚でフォーカシング。たまにピントを外すのもそれはそれでアリ。
そんな諸条件が合わさって、なかなかの儚さが得られました。
うん、Q2買わなくて大丈夫だった(笑)。
撮影後は、カメラとレンズの雨粒をしっかり拭いて、除湿機をかけた部屋でなじませてから防湿庫へ。メンテナンス、大事です。
【プロフィール】
芳田 賢明(よしだ たかあき)
イメージングディレクター/フォトグラファー。
「クオリティの高い撮影・RAW現像で、良い写真を楽につくる」をテーマに写真制作ディレクションを行っている。撮影ではポートレートや舞台裏のオフショット撮影を得意とする。
Webサイト…https://atmai.net/
Instagram…https://www.instagram.com/takaaki_yoshida_/
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