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【連載】大石孝次の「音楽な日常」第81回

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STRAWBERRYを巡るいくつもの想い

イチゴを1パック買いました。
粒の小さめなイチゴが綺麗に並んでパッケージされていました。
何か無性に買いたくなったので、体が要求しているんだと思います。

普段は果物を食べる機会が少なく、ビタミン不足である筈です。
イチゴにはビタミンCが豊富に含まれており、5〜10粒程度を摂取すれば一日のビタミンを補給出来ると言われます。

すぐにその場で食べればよいのですが、買った日は手を付けませんでした。
それから更に2日が経過したので、いよいよ食べなければ傷んでしまいます。
そう思い、パックから取り出して水洗いしました。
早くも少し痛みが入ってしまっている粒があったので、傷んだ箇所をナイフでカットして食べることにします。
その作業を始めてしまうと、全ての粒をメンテナンスしない訳にはいかず、全部を綺麗に支度したので結局全部一度に食べることになってしまいました。

さっさと食べていれば、一度に食べる事はなかったのですが。
しばしば、このようなことをやってしまいます。

イチゴのパックを購入する事は年に一度か、あっても二度程度です。
頻繁に買う事がないので、店頭のどのイチゴが美味しいのか分かりません。
大抵、ちょっと酸っぱいものを選んでしまっています。

イチゴ好きの人ならお腹一杯食べたいと思うかもしれませんが、そこまで量を食べたい訳ではありません。
イチゴ狩りに何度か行った事がありますが、そんなにたくさん食べられるものではありませんでした。
イチゴ園のまるまる大きく育ったイチゴは本当に甘くておいしいものがあります。
イチゴ狩りも2週連続で同じ場所に行ったことがあるのですが、摘まれてしまったイチゴが1週間で増える訳ではありません。
前の週に行っていたので、来週は大丈夫なのかな?と思っていたのですが、もちろんイチゴは減ったままでした。
当たり前の事ですが、やはり旬のタイミングが美味しく食べる秘訣です。

イチゴを摘んで口に運ぶ。イチゴの実から出るジュースが指に付きます。
それを布巾で拭うと白い布巾にイチゴの実の色がうつります。水で洗っても簡単に色が落ちません。
イチゴの色素はとても強いんですね。調べてみたらアントシアニンが主な成分でした。
ワインと同じです。そう思うと合点がいきます。

子どもの頃はイチゴをフォークで潰して、ミルクと砂糖をかけて食べました。
当時はイチゴがあまり好きではなかったので、率先して食べたいとは思いませんでした。
イチゴを潰すという作業を、隣で一緒に食べていた兄は楽しそうにしておりました。
イチゴをそのままで食べる食感も、フォーク越しに潰していく感覚も、イチゴミルクになり柔らかくなった果肉も、どれもあまり好きではありません。

イチゴショートケーキは子どもの頃のメインイベントのような存在で、誕生日などにホールで登場するその存在感は圧倒的でした。
甘い生クリームとそこに乗せられたりカットして挟まれているイチゴ。
クリームの甘さでイチゴの酸味をカバーしてみても、やはりイチゴの酸味の強さは苦手でした。
でも、鼻に抜けるフレッシュ果実の優しく甘美な香りは大好きでした。
甘みと酸味、香の三位一体のバランス感が理解出来るようになったのは、ある程度大人になってからでした。

昨今は品種改良などで粒の大きさや色合い、甘さなど様々な種類のイチゴが誕生しております。
その一つ一つを試したことがないので、どの種類が自分の好みに合うのか分かりません。
大粒のイチゴが数粒単位で販売されているものを見ると「きっと甘いのだろうな」と思うのですが、なかなか手が出ません。
今回の1パック全部食べる事を考えれば、美味しいモノをちょっと食べる『大人食べ』をする方が良いのかもしれません。

いつ食べたのか忘れてしまったのですが、食事のラスト、デザートに一粒の大ぶりなイチゴが出てきたことがあります。
ガラスの器に乗った一粒のイチゴは、絵になっているとか、美味しそうだとか、そのような感情は抱きませんでした。
でも実際にそのイチゴをナイフとフォークを使って食べてみると、とても甘美な美味しさを体験する事が出来ました。

食べてみて初めてその絵画的な美味しさを理解出来たのです。
ナイフでイチゴをカットしていきます。
イチゴの実はしっかりとしており、ナイフを通して果肉の細胞や水分を切り分けている感覚が伝わります。
何も付けずにそのままのイチゴを噛みしめると、感じたことのない食感と味が口の中に広がりました。
白いテーブルに乗った透明な器、その中にある赤とピンクの間の色のイチゴ。
その一粒だけでもストーリーになるのです。

1パック食いをしたおかげで、そんな事も思い出せました。
TVのCMなどで小さな子どもが嬉しそうにイチゴを頬張る姿をクリスマスシーズンなどに見かけます。
その笑顔はなんとも可愛らしく映ります。笑顔を導きだす程のイチゴの魅力について考える良いきっかけになりました。

さて、イチゴにちなんだ名曲と言えば何をおいてもこの曲です。
The BeatlesのStrawberry fields foreverをお聴き下さい。

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