ふたとおりの終点と危険な余韻
わりと長く生きてまいりましたので、結構な長さを誇る作品達となが〜い付き合いをしていたりします。
昨年末、超大作大河作品の最終話が2本立て続けに劇場公開されました。
一つは「STAR WARS」もう一つは「男はつらいよ」。
男はつらいよに関してはこちらの中でもお話ししたことがありました。
今回のシリーズ50作は一体どのように完結させるのか、どんなギミックが入るのか?
多大な期待が感情的に入ってしまいましたが、寅さんというおじさんをソフトに振り返る、男はつらいよファン向けの完結編という内容でした。
この作品だけ見ても、決して問題などはありませんが、過去の作品を知っていて観る方が100倍楽しめ、シミジミ出来る内容です。
ネタばれはいたしませんが、大人になった寅さんの甥である満男に一人娘がおりました。
この娘がこのシリーズ作品の全てを救ってくれました。
この娘の存在でこのシリーズは無事に完結できたのだと感じました。
長かったシリーズですが、亡くなった渥美清さんもこれで安心できたのではないでしょうか。
STAR WARSは1作目から劇場で鑑賞しておりました。
これも42年もかかって辿り着いた完結編。
特筆すべきはシリーズ7〜9作であっという間の期間に、スピンオフ作品まで誕生する中、積み上げられた凄まじい作品になりました。
SFXからVFXに時代は進み、革新的な作業スピードと視覚効果を得ることが出来たのです。
初期三部作を観ていた頃は、生きている間には全ての作品を観る事は出来ないだろうと思っていました。
現在の技術革新と作品作りの根幹の変遷、逆にこの速度で制作しなければならない新しいリスクなど。
想像できない世界を観る事が出来ました。
とにかく見終わった後に、不満やストレス、文句など一切出てきませんでした。
自分としては完結出来ました。SW好きの知人たちも同じくみなさん納得のご様子でした。
どうしても内容に触れてしまいそうなのでここまでとしますが、どちらの作品も最後に心静かに観終わることが出来たのが非常に嬉しかったです。
好きな作品シリーズだったので綺麗に観終われることが一番欲しい事でした。
それがかなった事は大変にありがたく、これからも好きでいられる幸せが残るのです。
ユーザーとしてはとても大切な事なのでした。
なのでこの二作品は「フォーエヴァー!!!」なのであります。
話は変わり、先日、飲み仲間のお宅で鍋を食べながら名作映画「居酒屋兆治」を観る会を催しました。
そちらの主人曰く、この映画は好きだけど救いのない悲しい映画である「兆治さん」が辛い!と盛んに言っておりました。
それは当然知っております。もちろん「居酒屋兆治」は劇場で公開時に観に行ってますし、何度もテレビ等で拝見しております。
しばらく観ていなかったので、久しぶりにあの悲しく辛い作品を観ながら、日本酒で鍋を食べたかったのですねぇ。
伊丹十三さんはやっぱり最高に嫌な奴でした。細野さんはやっぱりペラペラでした。お登紀さんはやっぱいい女房でした。
でもどうしても、あの悲しく儚い、大原麗子さんを観ずにはいられないのです。
健さんのうしろ姿、カッコ良かったなぁ。
それを観終わって余韻に浸っておりますと、むむっと動き出したご当家主人がブルーレイに何かセットしました。
すると…なんとこれまた救いのない作品「男たちの挽歌」でした。
NOー、ジョンウ—!この当時の香港映画は日本の「西部警察」や「あぶない刑事」みたいな、東映セントラル的なドンパチ感満載。
あまり得意ではないのです。しかもこの作品もベースがとにかく辛くシンドイ。
むかし一度観たことがあったのを思い出しつつ、でもやはりスカッとする銃撃戦と殴り込み。
面白いんですが気分の問題ね。
立て続けにタイプの違う救われない、不思議な後味の映画を二本観する事となりました。
これとまた別に韓国映画の名作「殺人の追憶」を観ていたのですね。
この作品も全く救いのない、何とも哀しい悲劇であり、心に苦しい余韻を残す問題作なのであります。
とにかくタイトルが好きで、内容はキライと言っても過言ではない、80年代の韓国が持つ独特の世界観を怖く感じます。
韓流ブームの真っただ中に誕生した、韓国映画界に一石を投じた賞レース総なめの作品です。
ラストシーンが何とも言えない焦燥感と虚無感が混在する、名シーンですのでぜひとも注目を。
別に一日でこの5本を観たわけではないですが、わりと短期間に鑑賞しました。
超大作シリーズが二つも完結し、行き場のない悶々とした気持ちの作品を続けて観る。
映画をしばらく観ていなかったので、こんな風に映画鑑賞をするのも面白いものであります。
17日公開の岩井俊二の新作「ラストレター」は久々に心の琴線に触れる、ベタだけど好きなタイプの作品っぽいので観たいですね。
春には007の最新作が待っています。
ダニエル・クレイグも年を取りましたが最後の男っぷりが楽しみですし、ボンドカーにアストンマーチンDB5が登場するのも楽しみです。
昨年末より久々に映画付いているので、この調子で今年は映画鑑賞イヤーにしようかな。
映画を一番観ていたのが中学生の頃で、月に3本は封切り映画をみておりました。
これも前に書いたと思いますが、毎月シリーズでやっていた試写会のレギュラーユーザーだったのが大きかったのです。
好き嫌いを問わず、あれほど荒っぽく新作から2番館、3番館などに行き2〜3本立てを全部観ていましたからね。
日がな一日、ず〜っと映画ばかりを観ていた日々が懐かしいです。そんな事が出来たのは高校生まででしたけど。
久しぶりに映画を楽しむ年にするのもいいですね。
良き作品の誕生と出会いを楽しみに!
それでは、そんなお話に相応しい今年最初の1曲は…何がいいかな。
映画のテーマソングではありきたりなので、映画のラストに相応しい名曲にいたしましょう。
ビリー・ジョエルで「シーズ オールウェイズ ア ウーマン」をどうぞ。
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