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【連載】大石孝次の「音楽な日常」第133回

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「長く付き合った冷たい奴」

ある日、冷蔵庫の冷凍室の引き出し用の取っ手を引っ張ったら、あらあら困った事にポキリと外れてしまいました。

結構な衝撃的場面。いくつかのショックが重なりました。
取っ手が外れた事実に。
冷凍庫を引き出すのに冷凍室自体を引っ張って出さないといけない事実に。
冷蔵庫の老朽化が進行していた事実に。
これはどう対応するのが良いのか考える事に対して…etc。
瞬間的にいろんな事が頭の中でグチャグチャとなりました。

とは言え、数年前からそろそろ買い替えの時期なのかなと思っていました。
二年くらい前に、イベントで行った家電屋さんで冷蔵庫の物色をしたこともあります。
しかし、家電製品の中でも冷蔵庫は最大級の大きな買い物で、結構な覚悟が必要になります。

そして、とても大切なパートナーなのです。
長年連れ添った冷蔵庫は、購入した当時はまだ2種くらいしかなかったノンフロンタイプでした。
ノンフロンの選択肢は少なかったけれど、ひとめぼれみたいな感じで気に入った訳なのです。
自分で購入した初めての冷蔵庫でしたので、愛情もひとしおです。

使っていて大きな問題はなく、まあ冷蔵庫で問題ってあまり聞いたことはないけれど。
370Lの内容量もいい感じに生活にフィットしました。

今回の取っ手ポッキリ事件は、一つのきっかけなんでしょうね。
ウチの冷蔵庫はNational製です。
National製品は2008年10月1日よりパナソニックにブランド統合で名称変更をされました。
という事は14年以上前に購入したんですね。
調べてみたら2003年製でグッドデザイン賞を受賞してました。
そうかそうか、そんなに経っていたんですね。時の流れは速いのか遅いのか。
19年近く使っていたことになります。
そりゃー経年劣化するパーツくらいありますね。
全体にも疲れていたはずです。
お疲れ様。

一日も休むことなく稼働し続けてきたのです。
冷蔵庫はそういうファクターを一身に背負っている重要なメカなんです。
いつもそこにあって、クールに全てを冷やしてくれる。
なんて冷たくて暖かい奴なんでしょう。
だから冷蔵庫は人生のパートナーの中でとても大切な存在なのです。

肉も魚も、野菜も乳製品も、冷凍食品も氷も、お惣菜もタレもドレッシングも、ビールもお酒もワインもスピリッツも。
何でもかんでも大切で人生を豊かに健康にしてくれる全てのモノを冷たくしてくれる。
そんな大切な、大事な存在です。

だからこそ、老朽化で取っ手が取れちゃうまで酷使していたことに改めて愕然としました。
それでも大好きなパートナーであること。
いつか別れはくるものですが、それはきっと突然やってくるのです。
まだ冷やすことは出来るけれど、もうそろそろ休ませてあげないといけないよね。
もう充分に尽くしてくれました。本当にありがとう。

いつも必ずそこにいる、そこにあるって、こんなに嬉しくて安心なことはありません。
疲れきるまで働いてくれたことに感謝しております。

そして本日、永遠の別れはやってきました。
庫内に入っていたモノを取り出してみると、引っ越しの時以来の何も入っていない状態になります。
意外と小さかったんだなぁ、370L。なんて思ったり。
でも自分の暮らしには丁度良かったのですね。

配送の人たちが養生しながらNational製冷蔵庫を運び出していきました。
その姿は働き切った奇麗な後ろ姿でした。

そして奴がいなくなった後に、真新しい冷蔵庫が収まりました。
外に出したモノを新しい冷蔵庫に入れていきました。
冷蔵庫のサイズはアップしたのですが、当然のことながら棚や引き出し等のサイズは違います。
今まで立てて収納出来ていた瓶の本数が減ってしまいました。
日本酒四合瓶でも背の高い形状の瓶が意外と多くて初期収納としては難儀しました。

っーか、ウチは冷蔵してる瓶類が異様に多すぎー!
冷蔵庫の半分は酒が占めていました。
野菜とか少なっ!
効率的な冷却のためにも、飲んで減らします。

そ~んな、別れと出会いを体験した春の日のお話でした。

それでは、やさしくてちょっぴり切ないこの曲をお届けしてお別れです。
ミニアルバム『水の中のASIAへ』より、
松任谷由実で「わき役でいいから」。

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