9年ぶりのGR
みなさんこんにちは。
イメージングディレクター/フォトグラファーの芳田賢明(よしだ たかあき)です。
ラジオのレギュラー番組だと思っていろいろ書いてみる、連載「memorygram」第14回です。
買いました!
Leica Q2ではなく、RICOH GR III。
なぜ結局GRになったのかというと…
自分が撮るべきものを再認識した、という感じでしょうか。
この話は改めてどこかできちんとしたいと思っているのですが、本来私が撮ろうとしていたものは、
「嘘」ではなく「本当」
「他者」ではなく「自己」
「特別な時」ではなく「日常」
だったはず。
このところなんとなく違和感を感じ始めていた中で、ある知人の写真展に足を運び、それを思い出したのです。
それには、Q2よりももっと小さく、もっと目立たなく、常にバッグに入れておけるカメラでないといけない。
そして、RAWデータには「私の画」にできるポテンシャルがないといけない。
それに適うものは結局GRだったということです。
もともとリコーのカメラは設計思想から好きで、RAWデータのポテンシャルも高く、GX8、GX200、GXR、GR DIGITAL IIIと使ってきました。コンパクト機はずっとリコーでお決まりだったのです。
それがGR DIGITAL IIIで途切れ、FUJIFILMのXシリーズに切り替えたのは、ユーザーの間では有名な「レンズ交換式じゃないのにセンサーダストが入る」という問題。
もう何度も修理に出し、その都度センサーユニット交換、センサー交換だから保証期間が過ぎれば高額な修理費用がかかり、「もうやってられない」と愛想が尽きたのでした。
しかしGR IIIではセンサーシフトによるダストリムーバル機能が搭載されたこと。そして、どうやらセンサーダスト修理はセンサーユニット交換ではなくクリーニング対応のようだということ。ならばもう一度リコーに戻ってみようか、と思ったのです。
RICOH GR IIIを買ってから早いもので9年ぶりのGR購入。
センサーが大きくなり、いろいろな機能も盛り込まれましたが、手にしてみればよく知っているGR。早速スナップへ出かけました。
(このときの撮影写真は現在私のInstagramで毎日更新中です)
使ってみて改めて感じたのは「やっぱGRすごいな」ということ。
まずとにかく軽い。普段ライカを使っている身からすると、もはや無です。
長時間撮影していても苦にならないし、ポケットにカメラが入るというサイズもやはり良いです。
私のスナップ撮影のスタイルは、立ち止まらず、カメラを構えずノーファインダーで、振り回すようにして撮ります。でもさすがにライカは重くて振り回せない。それがGRなら振り回せる。これがとにかく良い。
レンズシャッターの「プチッ」って音も良いし、これなら本当にストレスなくスナップできる。
スナップは受け身ではなくアグレッシブに撮りにいくべきだと私は考えているのですが、その本当の意味を思い出した気がしました。
スナップはやっぱりこれじゃないとダメか、と。リコーが「究極のスナップシューター」を標榜するだけのことはあります。
振り回すように撮るにはAFなんてものは使っていられないので、GRの場合は基本的に置きピンです。
そこで便利なのがフルプレススナップ。GR DIGITAL IIIを使っていた頃から変わらず、やはり良いですね。
合焦距離を1.5m程度にしておいて、F5.6まで絞れば、大体のものは撮れます。
この撮影で、本来のスナップの感覚を少し取り戻せた気がします。
この感じなら…2020年こそ個展の開催が実現できるかな!?
【プロフィール】
芳田 賢明(よしだ たかあき)
イメージングディレクター/フォトグラファー。
「クオリティの高い撮影・RAW現像で、良い写真を楽につくる」をテーマに写真制作ディレクションを行っている。撮影ではポートレートや舞台裏のオフショット撮影を得意とする。
Webサイト…https://atmai.net/
Instagram…https://www.instagram.com/takaaki_yoshida_/
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