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【連載】大石孝次の「音楽な日常」第155回

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『暑い夜長を過ごすために…』

最近、継続して観ているドラマが『朝ドラ』と『どうする家康』の2本になっています。
数日前から『ワカコ酒シーズン7』が始まったから3本か。

ドラマはなかなかに観たくなるような内容のものが見つかりません。
最近はやりの深夜枠のドラマはどれも同じようなイメージ。
ゴールデンも食傷気味で、あえて食べたいと思いません。

そんな中、ほぼ手を出していなかったジャンルのもので、少し気にかかるものが出てきました。
韓流モノです。

韓流ブームの前夜、映画業界にいた自分は会社が配給やビデオグラムの販売用に買い付けていた韓国映画をいち早く観ておりました。
冬ソナは既にブームになっておりましたが、アジアや韓国映画はまだこれからっていう時期でした。
韓流ブームという言葉もまだ出来ていない頃で、実際これから盛り上がるのかどうかも手ごたえがつかめていない時期でした。

時代はまだフィルムの頃でしたので、有名な小さな映画試写室にスタッフがもぞもぞと集まって試写を見ます。
数日をかけて数本の作品を鑑賞いたしました。
作品群のテーマは様々なシチュエーションのラブストーリーでしたが、独特の物語性と文化感に沿った作りでした。
もちろん馴染みのない雰囲気に戸惑いもありましたが、一貫した作風に馴染めば楽しめるものでした。

もう20年も前の話ですので、現在の作品とも一味違う世界かもしれません。
当時にヒットした映画「殺人の追憶」は、業界でも話題になり韓国モノの一つの定義になりました。
自分の会社で扱った作品は、舞台はソウルなどの都市部で故郷がある人達が中心のお話で、共通していたのが主人公が死んでしまう悲劇。
日本でも「世界の中心で愛を叫ぶ」あたりから、ヒロインが亡くなってしまういにしえの「愛と死を見つめて」パターンの作品が一気に増えました。

韓国映画の悲劇の描き方はなかなかに鮮烈で、作品の尺も長くテーマの主軸がどこにあるのかが難解でもありました。
そんな中で誕生した「私の頭の中の消しゴム」は、記憶に残る一皮むけた作品だったと思いました。
ヒロインのソン・イェジンの作品を自分がいた会社で扱った事があったので、とてもシンパシーを感じました。
最近では「愛の不時着」の出演で世界的にも注目されましたね。

その一方でキュートでコミカルな「猟奇的な彼女」や「僕の彼女を紹介します」このテイストは他にはない面白さでした。
主演のチョン・ジヒョンの圧倒的な存在感は強烈なイメージを残しました。

話がちょっとずれました。
NETFLIX配信の韓国ドラマが人気を博しておりますが、予告編を見て少し興味を持った作品があります。
短い時間流れる作品紹介にそそられるものがありました。
『田舎町ダイアリーズ』という作品です。
素朴な雰囲気と田舎ならではの時間の流れ。村社会な登場人物と日常の出来事。
最近では見ない設定が好印象です。

ドラマならなにか事件が起きないといけないのか?
あえてそれを問いたくなるような、ゆっくりとした風景の中に身を置いているような作品です。
別に癒しを求めてるとかそういう事ではなく、割と平凡な日常を覗き見る何もなさを愉しめばいいのではないか?
私は十分に楽しめました。

キャストもキャラクターも良かったです。
設定や登場人物、相関図、社会や倫理観、あざとさのある演出や出来過ぎな展開も楽しめました。
今でも残る素朴な風景を、ドラマで垣間見る事が出来て面白かった。
日本にだっていくらもあるのだから、こんな視点のドラマを作ってほしいと思います。

主人公のアン巡査を演じたパク・スヨンがとてもチャーミングです。
Red Velvetという女性K-POPグループのメンバーで、JOYの名称での音楽活動も魅力的です。

この作品の他に観たのが「天気が良ければ会いに行きます」。
こちらは実はかなりヘビーな内容をこれまたゆっくりと見せていく作品。
ネトフリでは32話で正直長いと思って観ておりましたが、う~む無事完走致しました。

主演はラブコメの女王と言われているパク・ミニョン。
さすがと言うか、圧巻の演技と存在感といった感じですね。
韓ドラ初心者としては、しばらくパク・ミニョン物を観ていくのが間違いなさそうだと思っているこの頃です。

といったような感じで、まったく暑い毎晩を過ごすのに、韓ドラで愉しませてもらっております。

今回のお別れの曲は、パク・スヨンがJOYという名前で活動しているRed Velvetの曲で『Birthday』。
MVも素敵なのでぜひご覧ください。

https://youtu.be/Ut1OzEVUiM4

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