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【連載】大石孝次の「音楽な日常」番外編第4回

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「片岡義男という文化」

自分より30年ほど人生の先輩となる作家「片岡義男」氏。
思えば40年弱の読者となった。

付き合いが長くなった分、その文章の遍歴なども判るようになった。
青春群像、音楽、サーフィン、ハワイ、バイク、海、BUM、BEER、HARD BOILED、etc
新しい独自の文学スタイルをいち早く定義した、他に類を見ない解釈と文体である。

そもそもの生い立ちによる、英語やアメリカ文化との触れ合いがあり、それは新しい文化との懸け橋でもある。
ペーパーバックに触れて育った事による文章の組み立てと表現方法。
ある意味ドキュメンタリーでありルポルタージュとも思える。

長く数多く執筆物を読んできたが、自分が読みだした時期の文章が気に入っている。
その時期の作品は繰り返し読み直してきたが、最近、目が覚めるような事があった。
1960〜1973までの間の自伝小説が発刊された。
光文社刊『コーヒーにドーナツ盤、黒いニットのタイ。』
表紙の濃い目のショッキングピンクが嫌いな為、装丁との相性の悪さから読みだしが遅くなった。
分厚いページ紙の質感などはとても良い。

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最初の件の読みだしでオッとなった。そのまま読んでいくと直ぐに気づいた。
以前の文体であり、自分が好きだった文章と久しぶりに出会った事を。
内容は興味深く、軽やかな文章であり、最後の落とし込みはここから学んだという事。
数多くの影響を受けたことが如実に分かってしまう。

80歳を超えた著者が劣らない閃きで描く青春群像は、明確な映像として記憶の中にインプットされている証明である。
この自伝的小説を読み、疑似体験しながら、超えた時代にあって普遍的なものの価値を理解させる。
この時期、触れたことの無い世界を体験するのには良い機会かもしれない。

この本を想い、1曲選ぶなら
パット・ブーン「砂に書いたラブレター」

https://www.youtube.com/watch?v=WekYMFZQSgQ

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