ならば、僕らはどうなのか?
みなさんこんにちは。
イメージングディレクター/フォトグラファーの芳田賢明(よしだ たかあき)です。
ラジオのレギュラー番組だと思っていろいろ書いてみる、連載「memorygram」第22回です。
第19回でご紹介した「人生の針」に続き、結構なインパクトで刺さってきた楽曲をご紹介します。
安斉かれん「僕らは強くなれる。」。
https://www.youtube.com/watch?v=A5ckNnaC8Dw
安斉かれんさん。話題になったドラマ「M 愛すべき人がいて」のヒロインとして一躍話題になった方。私もご多分に漏れず、このドラマで彼女を知りました。
そして番組中に流れたこの曲のCMに、持っていかれました。
まあ簡単に言えば「好きな感じの曲」なわけですが、かつてハマっていたday after tomorrowやgirl next doorを彷彿とさせる雰囲気。
これは…と思ったら、作曲編曲があの五十嵐充さん。もう拍手したくなるような気持ちでした。やっぱり耳がピンときちゃうんですね。
そして管編曲があの村田陽一さんで、あの京都橘高校吹奏楽部が演奏しているという。その情報だけで「本気感」が伝わってくるわけです。
ある意味センセーショナルだったあのドラマ、そのイメージだけを持ってMVを見ると、彼女をただの「かわいくて歌える子」と思ってしまうかもしれませんが、そうではありません。
彼女のプロフィールを見ると、幼い頃からあらゆる音楽、楽器に触れ、作詞をしてきていて、この曲も含めこれまでリリースした曲は全て作詞している。
またストック曲の中には自ら作曲したものもあるとのことで、要は正真正銘のアーティスト。
MV中で吹いているソプラノサックスも、当て振りのパフォーマンスとは訳が違うのです。
そして、フルバージョンのMVに加えてドキュメンタリー映像も公開されています。
そちらもぜひ見てほしいのですが、やはり本気。吹奏楽部が村田氏の指導で1年以上のレッスンをしたとか。それも演奏だけでなくMVにまで出演、またこれがカッコいい。
そうやってMVを見ていくと、これはもはや表面的なエンタテイメントではなく、安斉さんや吹奏楽部の方々からの強い意志を感じざるを得ないのです。
簡単に言えば、感動したわけです。
この曲は、2020年夏季高校野球 都道府県別大会のテーマソングになりました。
安斉さんのコメントによれば、学生時代の吹奏楽部の経験を踏まえて、「挑戦している人を応援します」「挑戦すること自体がすごい」「挑戦している本人だけじゃなく、その人を応援している人や支えている人も同じくらい応援したい」とのこと。
その気持ちは吹奏楽部の方々にも届いているだろうし、何よりこれを見る私たちに刺さってくるのです。
なんでしょうね、第18回で書いたポカリのCMもそうでしたが、頑張る若い人たちを見ると、奮い立たされるような気持ちになります。これもおじさんになったということでしょうか。
出口の見えない毎日、見えない明日、消えない不安。だけど若い人たちは全力で生きようとしている。大人が弱っている場合じゃない。
安斉さんは「破いたページの分だけ、僕らは強くなれる」と歌っています。
ならば僕らは、大人としてどう生きるのか。問いかけられていると思うのです。
【プロフィール】
芳田 賢明(よしだ たかあき)
イメージングディレクター/フォトグラファー。
「クオリティの高い撮影・RAW現像で、良い写真を楽につくる」をテーマに写真制作ディレクションを行っている。撮影ではポートレートや舞台裏のオフショット撮影を得意とする。
Webサイト…https://atmai.net/
Instagram…https://www.instagram.com/takaaki_yoshida_/
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