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【連載】大石孝次の「音楽な日常」第71回

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「う〜む、男はつらいねぇ」

以前にもちょっと触れたのですが、映画シリーズ「男はつらいよ」を相も変わらず観進めています。

ここのところは、一休み出来るつもりでいました。
しかし前にこのシリーズを盲目的に毎晩観ていた時よりも忙しくなってしまい、毎日余裕のない生活が続きました。
結構ヤバかった。
スケジュール帳を見ると、数か月前の忙しさをしのぐ忙しいばかりの毎日に。

いかんいかん。こんな事じゃいけないのですが、気が付けばまたもや休んでる暇もない毎日になっておりました。
まあ、それも致し方ありません。いつもいつも馬鹿みたいに忙しいばかりなんかではないのです。
忙しいと言うのは、裏返せば幸せな事なのですから。

しかしまぁこの夏というか、8月からは急激に暑かったですね。
7月は何だったのか分からないほどに反動で一気に暑くなりました。
過去に2度、仕事でマレーシアに行かせてもらいましたが、マレーより明らかに日本の夏の方が暑いです。
マレーはいつも適度に暑い訳で、寒暖の差はないかもしれませんが、暑さ比べでは日本は異常事態ですね。
ヨーロッパでも今年は酷暑のようです。よろしくありませんねぇ。

さて、そんな暑さの中、明け方まで何だかんだ毎日じくじく過ごしておりまして、朝のニュース番組が始まってから寝るような生活。
でも朝がとにかく暑いままで、少しでも涼しくなれば寝やすいのですが暑くて閉口いたしました。
朝寝るので当然起きる時間が遅くなります。こんな状況で早起きしていたらそれこそアウトです。
遅く寝るので遅く起きる生活が未だに続いており、その生活から抜け出せずにおります(笑)

それはさておき、また最近、ようやく寅さんシリーズの続きを観だしました。
しかしまあ、つくづくといいますか、仕方ないといいますか、子供の頃から劇場に足を運んで観ていたシリーズですがねえ。
この寅さんというキャラクターは、とにかく憎らしくて粗野で粗忽、乱暴で短気。それでも情に厚く優しくて温かい、そんな人なのです。

ちょうど劇場に通うようになった頃の作品は当然の事ながら思い入れが強いので、その頃の寅さんが深く印象に残っている訳です。
最近見ている作品群がその頃のもので、やはり懐かしくも心がホッとするような作品が多く、大好きな寅さん作品がとても多いのです。

好きな作品には大原麗子さん、いしだあゆみさん、竹下景子さん、浅丘ルリ子さんなどが出演しており、時代のヒロイン満載でした。
中でも大原麗子さんは、サントリーレッドのCMに出演していた「すこし愛して、ながーく愛して」のセリフに日本中が気絶していたあの頃ですよ。
自分世代にはちょっと大人の存在でしたが、完全にやられてしまった事は間違いありません。
最近では井川遥さんが唐揚げと角ハイのCMで、その時代の雰囲気を復活させてくれているのが、ちょっとうれしい気持ちになります。余談でした。

とにかく、この頃の寅さんを見ていると、というよりこの頃の寅さんを観ていたので、いつしか知らぬ間に男はつらいよの生き様が自分の身に染みてしまったのでしょうか。
この人は渡世人ではありますが、こんな人生感がオーバーラップする事が多く感じられてしまいます。
私も器用な方では決してありません。でも寅さん程ではないだろう…などと思っておりましたが、ここ最近、作品を観ると「ん? んん??」
などと、寅次郎的人生観にシンパシーを感じてしまう事が多くなりました。

このシリーズの作品は何度となく繰り返して観る事が多かったのですが、やはり多感な時期に劇場で観ていた作品が多くの影響を与えていたのかもしれません。
少なからず、少年時代は映画と音楽漬けで、学校でもよその皆さんとは一線を画すレベルで没頭しておりました。
そんな「門前の小僧習わぬ経を読む」的にインプットされていった感情や心の機微が、いい年と言われる現在に至って、いよいよその潜在的存在を開花させているような気がします。

どうしたもんでしょうね。この年になって自分が寅さんとオーバーラップするなんて、これはかなりな重症ですよ。けっして喜ばしい事ではありません!
この作品の制作者だってそんな人になってはいけないと警鐘を鳴らすと思います。堅気ならね。
肝心なところで不器用なところとか、人の為に諦めてカッコつけるところとか、駄目なくせに粋がってしまうところなどはいけませんなぁ。

でも寅さんみたいに温かい家族が、ある意味無神経にワイワイやっていてくれたら、それはそれで幸せなんだろうな〜などとも思ってしまう訳です。
毎日暖かい食卓があるっていいよね。そんな時代じゃなくなってしまいましたが、そこには幸せな小さなコミューンが形成されているのです。
そんな食卓を作らないといけないね! って感じを思わせてくれる作品なのでもあります。
まま、今回はそんな感じに思いをはせる所で〆たいと思います。

折角なので家族や食卓をテーマに1曲セレクトしたいと思います。
う〜む、テーマとはちょっと違うかもしれませんが、これもまたもの凄く心に残っている1曲です。
まったくもって素晴らしい名曲。静かな食卓に流れているようなイメージが子供の頃から残っております。
往年のテレビドラマ「おおヒバリ!」の主題歌、マキシムで「感情教育(Education Sentimentale)」

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