2016年10月30日、渋谷duo MUSIC EXCHANGE。ここでは昼間、先輩グループが多数出演するラジオの公開収録ライブが開催され、じぇるの!の2ndワンマンライブはその夜に開催された。
1stワンマンライブから9ヶ月、この間には1stシングルのリリースや、新グループ「Chu☆Oh!Dolly」へメンバーの半数が移籍するなどの大きな変化があり、また直近では白川あやねが12月1日での卒業を発表しており、メンバーにとってもファンにとっても、感慨深いライブとなった。
昼間のライブから連続で参加するファンも多く、待ちわびたファンが開場と同時にどっとフロアに押し寄せ、あっという間に満員となった。
関係者席にはChu☆Oh!Dolly、また物販のサポートに入っていた愛乙女☆DOLL研究生(らぶけん)の姿もあり、あたたかな雰囲気の中開演となった。
ステージには、キラキラの「JELNO!」の切り文字に、大きな2つのダイヤモンド。11月8日発売の2ndシングル「Jewel」のMV撮影で使用した装飾が配され、じぇるの!らしく、煌びやかなものになっていた。
開演前の注意事項は、よくある影アナではなく、メンバーが出演するバラエティ番組風のムービーで告知。終了とともにSEへ突入した。
SE冒頭のフレーズ「Are you ready?」でフロアはハイテンション。ものすごい歓声でメンバーが迎えられた。
1曲目は11月8日発売の両A面シングルより「Jewel」。歌声が聞こえないほどの大きなコールに包まれ、ほとんどのファンがフリコピでライブに参加しており、かなりの一体感。みんな楽しそうである。
そのまま「You Go Girl!!」へ滑り込む。MIXの声量がすごい。そして「Gimme a Spark!」へ畳み掛けるように繋がる。最初の3曲なのにメンバーはすでに皆汗だく、ファンのテンションもものすごい。
ここで最初のMC。
桜井より「みなさんテンションぶち上がってますか〜??」との第一声、ファンも大きな歓声で応えた。
続いて一人ずつ自己紹介となったが、一人一人から抑えきれないテンションの高さを感じた。
入場特典でDVDを配布していることを伝え、「見た人〜?」と聞くが、フロアからは「はーい!」の歓声。当然そんな大勢がポータブルのプレーヤーを持っているはずもなく、「ライブあるある」のやり取りが繰り広げられた。
続くは曲振りからの「クリスマス・サイレントナイト」。所属するアークジュエルの各グループが共有する持ち歌であるが、今回が現メンバーでの初披露。
クリスマスの切ない恋を描いた曲であるが、汗に濡れたメンバーの姿が、まるで雨に濡れた姿のように見え、情景に深みを与えていた。ダンスは芝居仕立ての部分もあるが、表情でもしっかり表現され、クライマックスの「もう、嫌だよ」というセリフは水野が担当、感情たっぷりの叫びであった。
続いて「蒼い空を望むなら」。ファンの「おおおっ」という歓声に迎えられ、カッコよく大人っぽい曲が続く。1stワンマンと比べても、本格的な歌の表現がパワーアップしているように感じる。
続いて「ミラクル☆エレメンツ」「GO!! MY WISH!!」「Wake up girls!」「流れ星」と、盛り上がるいわば「沸き曲」がこれでもかと続く。
メンバー皆いい顔で楽しそうにパフォーマンスしていて、常に全力。そしてどの曲もジャンプが綺麗。これがじぇるの!の美しさだなと思う。
ファンも大歓声でそれに応え、コールも綺麗に揃い、落ちサビで照明が落とされると、各々が持つペンライトの海が綺麗に光る。ライブはステージとフロアが一体となって作るものなのだと思い知らされる。
ここでブレイクということで、映像「じぇるの!TV」が上映される。
ワンマンライブ限定の映像ということで、「じぇるの!No.1グランプリ」と題し、腕相撲、ストローでの早飲み、逆ロシアンドーナツ(1つだけ激辛ではない)の3つの対決。腕相撲は桜井が勝利、早飲みは涼掛が勝利、逆ロシアンは常井が勝利。「桜井は腕力、涼掛は肺活量、常井は運を活かしたライブをやります(笑)」という締めで、ライブ後半へと突入。
後半の1曲目は初披露の「ヤダッ!」。衣装をチェンジしてステージに登場。
曲は事務所の先輩である愛乙女☆DOLLの「壊して、純情」やLuce Twinkle Wink☆の「少女たちの微熱」を彷彿とさせる昭和テイストの歌モノ。それもそのはず、これらの両曲と同様、作詞まい氏、作曲CHEEBOW氏という布陣だ。ダンスは大きな振りというよりは、手や指先を使ったもので、シンクロが綺麗。新しいじぇるの!を感じさせる曲であった。
新曲初披露を終えてMCへ。
「ヤダッ!」について、「かっこいい曲」「歌詞もダンスもかっこいい」「新しいじぇるの!の魅力を見てほしい」とメンバーから語られた。
そして新衣装について。メンバーカラーの衣装になっていて、デザインが少しずつ違っているそうだ。
続いて幕間での映像について触れ、「特典DVDはまた違う内容なのでお楽しみに」という締めで、カバーのメドレーコーナーへ。
メドレーコーナーでは、針谷・白川・桜井による「少女アステリア」、水野・涼掛・常井(いずれも3期生)による「初日」、そして全員による「オレンジリウム」が披露された。
続くMCではメドレーコーナーでのエピソード。
愛乙女☆DOLLのユニット曲である「少女アステリア」は、桜井のゴリ押しで決まったというのだが、この曲は桜井にとってアークジュエルで5本の指に入るほどの好きな曲だそうで、配信で購入し、携帯での再生回数も一番なのだそう。「この曲が好きだということは今まで誰にも言っていなかったが、ユニット曲を決めるにあたり、『3人とも聴く曲も違っていてどうしよう』となったときに、『ちょうどいい曲がある!』と閃いた」とのこと。他の2人は「(桜井)ゆいちゃんに負けた(笑)」と。
「初日」については、水野より「歌詞が3期生にぴったりだなと思って。5月の終わりくらいにじぇるの!に加入して、最初が本当に大変で…」、常井より「それがあったからこの曲が合う」、桜井からは「練習を見ながら泣きそうだった」と語られた。
「オレンジリウム」については、針谷より「針谷生誕ライブで歌って、そのときのサイリウムの景色が忘れられなくて。告知ではこの曲をやるとは言えなくて『何か光るものを持ってきて』と告知していた。最初のハモりが綺麗で、それを聴いてほしかった」と語られた。
ここからは本編ラストとして3曲が続く。
まずは現メンバーでの初披露となった「エアプレーン」。
サビでの手の振りを、ファンも皆でコピーしていて綺麗。以前と比べ、こういう歌モノの表現がすごく良くなっていて、 一瞬どのグループを見てるのかわからなくなるような気持ちになった。
続いて11月8日発売の両A面シングルより「やっぱキミがいい」。
丁寧に歌っている印象を受けたこの曲、ファンによるサビ前の「イェッタイガーファイボワイパー!」が見事にハマっていて、爽快感すらあった。そしてサビ終盤の「Yes!」の所ではステージもファンも皆ジャンプ、綺麗に揃っていた。
そして本編ラストは盛り上がること間違いなしの「ギュッとSTAR!!」。
ファンは「ブチ上がる」という表現がピッタリの盛り上がり。これまでずっとリズムぴったりで打っていたMIXが、この曲だけは走り気味だったというのも、そのテンションの高さを物語っていた。
そして落ちサビの白川のソロでは、ファンからのサプライズとして、フロアが一気に白川の担当色である緑のサイリウムで埋め尽くされた。見事なその光景に、白川は目に涙を浮かべていた。曲の冒頭ではなく、このタイミングでサイリウムの海を作るというのは、ファンからのなかなか憎いプレゼントであった。
MCを挟んでささっと本編終了。早々に「じぇーるーの!」とアンコールを促す声援が始まる。
アンコール1曲目は「ヤダッ!」。ライブTシャツに衣装をチェンジして登場。Tシャツはメンバーそれぞれの改造や着こなしとなっている。衣装がシンプルな分、表情が引き立って見える。
その後のMCでは、このTシャツが桜井によるデザインであることが涼掛より紹介され、桜井より「完売したそうで、自分がデザインしたものをみんな着てくれて嬉しい。6人で最初で最後、最高のワンマンライブになりました」と語られた。
アンコール2曲目は、1stシングルの表題曲「超絶☆はっぴー!じぇねれーしょんっ!」。
ファンも「お待ちかね」と言わんばかりに、全員でフリコピ、サビのジャンプも皆で一緒に。間奏の「キタコレ…ジャージャー!…」も最後の力を振り絞るように、全力であった。
桜井による「投げチュー!」「指差し指差し」の煽りも健在だ。
MCが入り、これにて終演、と思いきや、今度は「アンコール!」のコールで声援が始まる。
再び登場したメンバーより一人ずつ、 涙ながらに感想が語られた。
常井「6人で最初の最後のワンマンライブ、6人でやりたいことをすべてやったと思います。こんなにたくさん集まってもらえると思っていませんでした。私以外のコールも嬉しくて、この空間をみんなと一緒に作れたと思います。またみんなと一緒に熱いライブを作りたい。今日は本当にありがとうございました」
涼掛「こういうワンマンライブは初めてですごく嬉しくて、こんなに来てくれると思わなくて、すごく不安で緊張でドキドキでした。でもみんな暖かく見守ってくれて、サイリウムを振ってくれて、とにかく嬉しくて。みんなで幸せな時間を過ごせて本当に本当に嬉しいです。感謝の気持ちでいっぱいです。この6人で最初で最後の、すごく楽しい空間にできて良かったです。ありがとうございました」
水野「このワンマンライブができたのもみなさんのおかげです。1週間前までは不安ばっかりでした。ガラガラだったらどうしよう、ちゃんと仕上がるのかな、と。でもその中で、メンバーとの絆もすごく深まったと思います。入って5ヶ月くらいだけど、このメンバーがすごく大好き。支えてくれるファンがいてすごく幸せです。最初から最後まですごく夢みたいです。今日はみんなに楽しんでくれてたら…楽しんでくれましたか!? 本当にありがとうございました」
白川「この6人でワンマンができて幸せです。予定を空けてくれた人もたくさんいて本当にありがとう。緑のサイリウムをたくさん見たくて「サイリウム持ってきて」って言っていたんですけど、8〜9割の人に断れてて(笑)、だから少ないのかなって思ってたら、「ギュスタ(ギュッとSTAR!!)」でみんな緑のサイリウム持ってくれてて、本当に泣いちゃって歌えなかった。嬉しかったです。今日のことは一生忘れないでください。本当にありがとうございました」
桜井「この日を誰よりも楽しみにしていたんですよ! メドレーの音源を作ったり、Tシャツのデザインをしたりとか。1stの時はそんなにグループに貢献できていなかったけれど、今回はグループにできることをたくさんできたと思います。本当に自分が成長したし、グループに必要な存在になれたと思って、嬉しいです。今日は来てくださったみなさんの笑顔が見られて本当に嬉しくて、自分たちも笑顔でできて、すがすがしい気分です。これからもじぇるの!について来てほしいし、できることをやっていきたいです。本当にありがとうございました」
針谷「お越しいただきありがとうございました。今日の日のために時間を作って集まってくれて本当に嬉しいです。2ndワンマンライブ、この『2』というのが、2周年とか、2ndシングルとか、いろんな節目が重なったライブでした。すごくすごくいろんなことがありました。つらいこと、嬉しいこと、たくさんありました。死に物狂いで踊ったと思う3期生、お客さんが増えないって泣いたこともありました。6人で笑顔で立てて嬉しいです。おやね(白川)が12月で卒業して、それからどうなるかはわかっていないけれど、私は最後の1期生としてできることをやっていきたいです。みんなが応援してくれているから正規グループになれた。いつも応援してくれるみなさん、ありがとうございます。たくさん頑張ってここまで私たちを連れてきてくれたこと、感謝しています。ありがとうございました」
そして、ついに、最後の最後。
白川「次が本当に本当に最後の曲になります。自分のカラーのキンブレを持って踊るので、みんなもキンブレ持って踊ってね」
「Jewel」が爆音でスタート。ファンもそれに負けじとコール。
メンバー皆がすがすがしい顔をしてるのが印象的。これからまた、新たなじぇるの!が始まるんだな、と感じさせられた。
曲が終わり、メンバー全員が下手→上手と丁寧に「みんなありがとう!」と挨拶をし、中央へ戻る。
針谷が「みなさん隣の人と手をつないでください」と促し、メンバーも手を繋ぐ。
そして、針谷からの「手挙げて!」の声で、ステージもフロアも皆、繋いだ手を高く挙げる。
鳴り止まない歓声を針谷が「シーッ」と止め、マイクを通さずに「ありがとうございましたー!」
メンバーもファンもみんなでお辞儀。そして拍手喝采。まさに一体感。メンバーが退場しても、しばらく拍手は鳴り止まなかった。
じぇるの!
2ndワンマンライブ「さぁ描こう 私達のでっかい夢! DUOで輝け6つの原石 何よりやっぱりじぇるの!がいい!!」
2016年10月30日 18時開演
渋谷duo MUSIC EXCHANGE
セットリスト
M01 Jewel
M02 You Go Girl!!
M03 Gimme a Spark!
MC
M04 クリスマス・サイレントナイト
M05 蒼い空を望むなら
M06 ミラクル☆エレメンツ
M07 GO!! MY WISH!!
M08 Wake up girls!
M09 流れ星
映像
M10 ヤダッ!
MC
M11 メドレー(「少女アステリア」「初日」「オレンジリウム」)
MC
M12 エアプレーン
M13 やっぱキミがいい
M14 ギュッとSTAR!!
MC
[アンコール]
EC01 ヤダッ!
MC
EC02 超絶☆はっぴー!じぇねれーしょんっ!
MC
[ダブルアンコール]
MC
EC03 Jewel
Photo:ワタナベタイシ
Text & Colorist:芳田賢明
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