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【連載】芳田賢明「memorygram」第40回

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ライカ MP 0.72を買った

みなさんこんにちは。
イメージングディレクター/フォトグラファーの芳田賢明(よしだ たかあき)です。
ラジオのレギュラー番組だと思っていろいろ書いてみる、連載「memorygram」第40回です。

今年フィルムで撮影する案件が春〜夏に控えていて、カメラどうしようかなと思っていたのです。
コシナのBESSA R2を持っているので、それで対応は可能なのですが、これだけライカレンズが揃ってくると、ボディもライカにしたくなる、典型的な沼。
それ以外にも、もしかしたらフィルムでやるかもしれない案件があったり、「フィルムっぽさの正体」の研究をより踏み込んでやりたいという思いもあり、そう考えると、今のうちにいいものを買っておいた方が良いのではないか、なんて。

バースイヤーライカは手軽かつ実用的なズミクロン50mmにしたはずなのに、やっぱり気になるボディ。
ずっとM6に憧れていたというのもあるし、新品でフィルムのボディが買えるうちに買っておくべきなのではないか、という誰かからの囁き。
まーしばらく某新宿防湿庫の入荷状況を毎日チェックしていましたよ。でもやっぱり状態の良いものは高い。それに、点検済みだとしても数十年前のカメラを数十万で買うというのはちょっと怖い。
とはいえ現行品はバックオーダーだし。
……という日々が続きました。
かなり状態の良いMP 0.72 シルバーの出物があったりもして、カートに入れるところまで行きました。でも、やっぱり欲しいのはブラックペイント。妥協するならやめよう。
というわけで、まあ「買わない理由」が勝っていたわけです。

しかしそんな中、ライカ公式のオンラインストアに、MP 0.72 ブラックペイントのアウトレットが入荷したのです。
ボディに薄く傷が入っているけれど、新品同様の保証が付いて、シリアル番号も新しそうで、状態の良い中古より安い。それに、いま全く手に入らないブラックペイント。
これはスルーできませんでした。

「買いすぎだ」と言われるともう何も言えないのですが、買いました。MP 0.72 ブラックペイント。

_R002156

ズミクロン50mm 第3世代との組み合わせが素晴らしいルックスです。
ストラップはM9で使っていたものを使うことにしました。

まず、ライカはデジタルしか知らなかった自分にとって、この小ぶりなサイズと軽さは衝撃。このサイズがカメラの工芸的な印象をさらに高めている感じ。
そして、レンズのマウント、巻き上げ、シャッター、全てが上質で上品。すごい。軽いから縦位置で構えるのも無理がない。ああ、これがライカなんだ、ライカってこういうことなのか、と。
なんというか「官能的」という言葉が似合う感じです。デジタルのライカはまだまだフィルムのライカの質感には追いついていないんだ、と思いました。

ボディの傷も全然わからないレベルで、強い光が当たればわかる程度。全く問題ないレベルでした。
本当いい買い物ができました。

そして久々にフィルムの値段を見て、また驚くのでした。。


【プロフィール】
芳田 賢明
(よしだ たかあき)
イメージングディレクター/フォトグラファー。
「クオリティの高い撮影・RAW現像で、良い写真を楽につくる」をテーマに写真制作ディレクションを行っている。撮影ではポートレートや舞台裏のオフショット撮影を得意とする。
Webサイト…https://atmai.net/
Instagram…https://www.instagram.com/takaaki_yoshida_/


dgpc_cover
芳田賢明 著、プロカメラマンに向けた[仕事に即役立つ本]
「誰も教えてくれなかった デジタル時代の写真づくり」
好評発売中

(ヨドバシ・ドット・コム)
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