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【連載】大石孝次の「音楽な日常」第108回

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自粛生活と私

こう書くと、悪いことした人みたいでいやだなぁ。

2月に入ってから、特に外出する機会が減りました。
最小限になっている感じです。
精神的なストレスとかを実感することはそんなにはありませんが、確実に積もってきている気配はありますね。
とはいえ、どうにかするすべも特になく、自粛太りが加速している感じです。

今までと比べると本を読む量が増えました。
基本、通勤や移動中に読むことが多かったのですが、移動時間が減ったり大きな移動も少ないので、必然的に読書量が減っておりました。
家で本を読むという、当たり前な時間が実はなかったりして。
一昨年前などは過去最大に本読まない生活になっておりました。
その分、スマホに支配されつつあるのですがね。

おかげさまで溜まっていた未読の本を順番に読んでいく作業を開始しました。
ハードカバーの単行本は外に持っていくには大きいので、本棚の中に肩を寄せ合って鎮座しておりました。
一人の作家の本がほとんどを占めているのですが、数十冊手つかずのままキープされております。

古いものから新しいものまで。小説、エッセイ、コラム、などジャンルも多岐にわたっております。
まずは本棚の端から順番に読んでいくことにしました。

ランダム性をもって読んでいくので、本を通じて一人の作家の人生を感じられるようになってきます。
毎日毎日、多くの量を読むのではなく、少量でも継続して読み続ける方法をとっています。
昔書いた本の内容や記述が、のちの作品の中で解説されていたり、違う形で登場したりすること、見えていなかった本人のことなど、よく読んでいくことによって、自叙伝をバラバラに読んで一本の糸の上に紡いでいくような作業でもあります。

自分としては40年以上読み続けている作家の書物でありますが、今までは「小説としてストーリーを読む」ということを続けてきました。
小説とは独立した作品であるので、作品の手前や奥にあるものについて想像することはあっても、作家の内面に関してのことがらは単なる想像程度の域でしかありません。
しかし、その連続性を持ったランダムな作品読みという、ある意味楽しく、あるいみシンドイ作業を1年以上続けたおかげで、作家の輪郭が見えてくるようになりました。

それもまた想像の域を超えるものではありませんが、書くことや頭の中でイメージしていた時間を共有することでもあるので、触れていなかった心理的側面に触れる作業でもあります。
平素、人とリンクするというようなことは、なかなかに有り得ないことであると思います。
それでも文章という形をもって、その共通の言語を理解したり習得したりすることで、書き手の心証を知る手掛かりにはなるのです。
そのことを理解し意識しだすようになってから、作品たちが持っている意味や意義が違うもののように感じてまいりました。

氏の作品は、メッセージを込めて伝えるというスタイルのものではないと思っております。
作品の中に切り取ったシチュエーションを展開し、その伏線や人の機微などでストーリーが構築される。そのような手法で物語化させていきます。
1人の作家が書く物語なので、巧みに変化や違いをつけておりますが、数多く読むと共通点や接点などを見つけ出すことができます。
それを読み取るための時間や量と費やすことによって、この1年間でいろいろと発見するに至った訳です。

読書する行為、読んだ気になること、買って満足すること、大切に寝かしておくこと、豊かな心で読むこと、楽しく読むこと。
すべて同じような行為でありながら、本と自分との付き合いや距離感によって変化いたします。

只今、付き合いを断っていた本達と、時間の壁を越えて向き合っている作業中であります。
読みたいときに読みたいものを読む行為とは別に、この作業は展開されております。
何十年も放置していた、ある意味「報い」のような「さだめ」のような、そんな気持ちになりますし、この日を待っていたような気もします。

読み進めるだけが理由ではないので、この作業を通して読んだ本はまだ30数冊程度。
昔の本は1枚のページに詰め込まれた情報が密集しているものなどもあり、視力が低下する前に読んでおかなければならないようなものなど、違った発見もありました。
時代と内容によってさまざまにレイアウトされ、振り返ることによる発見は想定外に愉しませてくれます。

まだまだ沢山の本が待っております。
急がず慌てず、あらたな発見や出会いと共に、じっくりと向き合って読んでいこうと思います。

作家という一人称でお話を進めてまいりましたが、その作家が愛して止まないアイランドであるハワイ出身のDUOの曲をお届けします。
セシリオ&カポノで『About You』。

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