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【連載】大石孝次の「音楽な日常」第48回

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9月に入り天候が落ち着くかと思った矢先に、超大型台風の直撃。
その動揺も落ち着く前に北海道の地震と、自然の猛威に翻弄され続ける平成30年です。

北海道札幌在住、妹分のタレントの娘に、地震の後に連絡をしました。
全道が停電しているとの事でしたのでものすごく不安でしたが、停電、断水はしているものの何とかやってますとの返信がありました。
停電二日目に電力は復旧したとの事だったので、何はともあれほっとしました。

札幌には気付けば5年ほど行っておりません。
その前は毎年のように仕事でも行く機会があったのですが、一度無くなってしまうとそんな事になってしまいます。

それだけ関東からすると北海道や東北・広島・岡山・四国・九州・沖縄などのエリアは遠い場所なのです。
行く事や直接的な手助けが出来ない分、地域物産品などの購入で応援をしていきたいという方をテレビで観て、なるほどそういう応援もあるかなと感心しました。それなら自分にも出来る協力かと思います。

そんな最近の話題で、サザエさんのフネさん役でお馴染の声優 麻生美代子さんが亡くなりました。
磯野家では波平お父さんの永井一郎さんが先に亡くなられ、ご夫婦共に逝ってしまわれました。
自分はアニメ業界で仕事をさせて頂き、沢山の事を体験させて頂いた身であります。
狭い業界の中で、最後までトップランナーだったご活躍は、本当に素晴らしく憧れの先達でありました。
心からご冥福をお祈りいたします。

今年は悲しい出来事が多い年であります。
私のアニメ界のボスであり師匠、20年前のアニメ界の四天王の一角であった方が亡くなってしまいました。
何にも恩返しが出来ず、それどころかいまだに頼っていた大先輩であります。
まだ年齢的には若かったのですが、急死という事でこの世からいなくなってしまったのです。

先日、お別れの会が催され、数多くの業界関係者が集まりお別れをいたしました。
10年近くアニメからは遠ざかっていたので、列席されている方は昔にご一緒させて頂いた方しか分かりませんでした。
現役一筋で作品作りに尽力された先輩ですので、会場には大物の業界人の方が多数ご参加されておりました。
簡単に言うと、この人たちで一緒にアニメ映画作品を作ってマーケットに出す事が出来たら、世界の映画界がひっくり返ってしまうような方がわんさかいた訳です。
自称、最後の弟子として活動させて頂きましたが、師には「お前は弟子ではない」ときっぱり言われておりました(笑)。
本当に沢山の事を短期間に集中して教えてもらい、そして盗ませて頂きました。

封建的なアニメ業界(今はどうか知りませんが)の中で、突如、縁故無しで飛び込んで3年でプロデューサーになったのです。
ちなみに、半端じゃない努力をいたしました! ので念の為。
絶対出来ない事を実現するのが夢を掴むことだと思っていたので、そういう意味では当時の自分は奇跡の人の一人だと思っていました。
まあ、普通ではなかなか出来ない事でしたので、特に大手のメーカーでは。
そのツケが数年後に一気にやってきて、ぶっ倒れ生死の境を彷徨うような大きな病に見舞われたのですが(笑)

生き急いだ男としてはその夢のようなプロセスが実現するところに力を貸して頂き(師は最後まで違うと言っていました)、認めて頂いた事が人生最大の作戦をどんな形であれ勝利出来たことに繋がったと、感謝の気持ちしかありません。
師匠に出会わなければ、絶対に叶う事のない事だったことは間違いないので。

話は前後しますが、業界の宝物のような声優さんが亡くなってしまっております。
昔の写真を少し整理する機会があったのですが、その中に一枚しかない宝物の写真が眠っておりました。

自分がアニメ関連の会社に勤めていた時、テレビシリーズの作品のシリーズ終了を記念したパーティーがありました。
その末席で参加させて頂いたパーティーには、ご高名な出演声優さんに多数ご出席頂いておりました。

そこに、正にレジェンドである声優の塩沢兼人さんがいらっしゃったのです!
自分の地元の友人が正に塩沢さんの大ファンで、自らを『兼人フリーク』と自称する始末。
そんな男の影響で自分も塩沢さんのお芝居が大好きなのでした。

そのパーティーに塩沢さんが出席されていたのです。
こんな光栄な事はない! でも図々しくお話しするようなことはメーカーの人間として厳禁! っと思っていたのですが、立食パーティーという場所柄たまたまお話しする機会があったのです!

仲の良いプロデューサーが近くにいてきっかけとなり、運よくお話しする事に。
友人、そして自分も塩沢さんの大ファンでリスペクト! みたいな感じでお話させていただきましたら、塩沢さんがカメラを持ったPに対して、一緒に写真を撮るようリクエストしてくださったのです! 何たる光栄!
カメラマンのP(写真はフィルム撮影の時代です)が塩沢さんとの2ショット写真を撮影いたしました。
なんて気さくでいい方なのだろう! 夢のような瞬間が過ぎていきました。

ちなみに塩沢兼人さん出演の作品(みなさんがピンときそうなもの)
◇装甲騎兵ボトムズ (バイマン・ハガード)
◇北斗の拳(レイ)
◇機動戦士ガンダム(マ・クベ)
◇クレヨンしんちゃん(初代ぶりぶりざえもん)
◇名探偵コナン(初代 白鳥任三郎)
◇究極超人あ〜る(R・田中一郎)

それから時間が経ち、写真を撮ったPに現像の催促を何度もかけて届いた写真が今でも私のもとにあります。
若干ピントがずれていやがる(ケッ)
その写真は宝物として飾っております。

自分がパーティーでお逢いしたのが1998年、お亡くなりになったのが2000年。
しかも46歳という若さで。
たまたまとは言え、1枚の写真に沢山の想いや感情、その時代にあった出来事など、久しぶりに沢山思い出しました。

更に身近な人たちが、突然旅立っていってしまいました。
でもそのお話はまた別の回にいたします。
本当に思い出すと泣いてしまうので。
その人たちの写真も大切に塩沢さんと同じパネルに飾っております。

さて、そんな気持ちで聴くのにふさわしい曲は…
「Don’t Talk」Larry Lee

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