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【連載】大石孝次の「音楽な日常」第6回

6kaire

10月に体調を崩したお話をしたのですが、12月になった今でもその影響を引っ張り続けたままなのであります。
まったく困った話です。
当然、お医者様にも通院しておりますが、全ての見立ては同じで回復を待つしかないとのこと。
その症状のダメ押し(これ以上はもういやです)と言わんばかりに起きてしまったのが、右耳が聞こえなくなってしまうという恐ろしき症状。
はっきり言ってショックで地獄…
なんなんだよ!まったく!
大人なので外には出しませんが、じつは相当凹みました。
すぐにお医者さんに行き(その前にかかっていた耳鼻科から別のところに変えました)診察。
結果は中耳炎とのこと。
体調不良で飛行機に乗ったことも影響しているようで、鼻の症状の延長線で発症した模様。

まじか…今年はなんなんだ。

喉や鼻、咳などの薬を処方してもらい、回復を待つしかないらしいのです。
困った。はっきり言って困る。
この先、レコーディングした曲のトラックダウンやマスタリング、さらに遠征まで控えている。
さっさと回復せにゃいかんわけです。
日々の雑踏の中で片耳が聞こえない、聞こえないなりの聞こえ方も変化し続け、喋ると頭蓋骨に振動する。
それがまた気持ち悪いし判断力まで低下する。
かなり普通に仕事にならなくなってきました。

そんな事情にかかわらず時過ぎていき、症状は一向に変化がないわけでありました。
遠征も今回は厳しかった。名古屋ツーデイズ。
戻ってすぐに医者に行くも、状況の改善は見れず同じ薬を処方されて、2週は様子を見ようということに。
つらい状態の中、3曲のトラックダウン。
はっきり言って、信頼できる相棒的エンジニアさんがパートナーでなければ、絶対に思うような出来上がりにならなかったですよ。

今回制作している作品も、信頼のおける人に任せていたのでどうにかこうにかなりました。
翌日は早速マスタリングです。こちらも信頼のパートナー!
4作連続でお願いしている鉄板的信頼度のエンジニアさんのおかげで問題なく作業することが出来ました。

今回ばかりは本当に辛かったです。一番肝心な作業が万全で臨めない恐怖を初体験したのです。
海外に体調不良の状態で行くのも、かなりやばいお話ではあったのですが、レコーディングディレクターとプロデューサーの立場として、この状況でのトラックダウンとマスタリングは実にタイトロープな心境だったことは否めません。
大山を超えたとはいえ、全然症状に変化がありません。

さすがに3週目に突入するとなると、覚悟を決めなければなりません。
3回目の通院の際、意を決してドクターと相談をして、鼓膜を切開する手術を敢行することに。
簡単な手術とはいえ、同意書にサインやなんやを記入すると、気持ち的にはまな板の上の鯉になっていくのです。
今までに体験したことのない耳の麻酔というものから始まります。
施術台に治療する耳を上側にして横たわり、耳の中に麻酔の液体を注入されました…
っとまあ、ここからさらに詳細に書いていくと、それこそ酷い愚痴のようなので割愛いたします。

手術が終わってみると、なるほど右耳がクリアに聞こえます。
その代り、左耳がウワァ〜んとした感じに聞こえます。
左は確実に鼓膜の振動を必要以上に感じ、低音の鳴りが全然右とは違います。
右は逆に今まで聞こえなかった高音がキンキン鳴っているような、しかし聞こえているのに聞こえていないような…
なんとも不思議な感覚に見舞われました。

何はともあれ、両耳から音が聴ける幸せを久しぶりに噛みしめたのでありました。
ステレオのバランスは暫くは良くなさそうですが、聞こえない状況に比べれば、慣れさえすればノー問題でしょう。

耳の聞こえはまだアンニュイな感じですが、雑踏の中に入ってみて確認しないとね。
と言う訳で、お医者さんにダメと言われなかった(聞いてもいませんが)ので、地元で人気の昼間っから大人が集まってクダを巻いている立ち飲み屋にいきました〜!
引き戸を開けるとそこはカオスなざわめきに満ちており、耳の調子を確認するには最適な状態です。
黒ビールを頼んで冷静に耳を澄ませます。
う〜ん、うるさい!
いい感じだ。
ビール一杯380円と馬刺し300円を肴に15分一本勝負で民間検査を完了。

でも本当に、ここ一か月半はどこにも飲みに行くような事もなく、ただただ仕事と自宅療養の日々でした。
ようやく、風邪の症状も治まってきたので、もうすぐ完全復活出来ればと思っております。
まあ、ここからの季節、油断大敵でありますが。
忘年会シーズンになりましたので、皆様も飲みすぎにはくれぐれもお気を付けいただき、健康に年末をお過ごしいただきたく願うばかりです。

ステレオで音が聴こえるようになった時におすすめの一曲はこちら。
THE BEATLES「The Fool On The Hill」

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