大きな仕事が一つ終わって、5分だけ立ち止まったとき
みなさんこんにちは。
イメージングディレクター/フォトグラファーの芳田賢明(よしだ たかあき)です。
ラジオのレギュラー番組だと思っていろいろ書いてみる、連載「memorygram」第53回です。
自分の中でこの連載が「1ヶ月」という区切りの節目のようなものになっています。
だいたい公開の前日に書いているのですが、いつも「この1ヶ月何があっただろうか」と思い返します。
それで思うのは、忙しいほど何も覚えていないということ。
とにかく目まぐるしくいろんなことが起きているはずなのですが、何一つ覚えていない。
常に何かに追われていると、物思いに耽る時間なんてないわけで、常に忘れながら走っているようです。
余計なことを考えずに走るしかないので、ある意味精神衛生的には良いのですが、一方で作家としての焦りのようなものは感じます。
散発的に現れる言葉を書き留めてはいるのですが、それをどう写真に変換するのか(できるのか)という方法論は見出せないまま。
一応かろうじて、音楽を聴く時間を意識的に取るようにし始めました。
写真を始めたきっかけが音楽にあって、ずっと音楽に近いところで写真を続けてきて(ここ数年はすっかりですが)、音楽を元にした作品もつくってきたわけですが、改めて音楽ってすごいなと思います。
写真にはない「言葉」と「時間軸」を持っている。どうやって写真が音楽に近づけるか、そんなことをずっと考えていたのかもしれません。ある意味で憧れだったのかも。
ピアノから音楽の道に進むか、写真からデザインの道に進むか、25年ほど前に後者に決めて今があり、その選択は今でも正しかったと思いますが、自分の作家性のようなことを考えるとき、音楽との関連というものをもっと意識するべきなのかもしれないなぁ、なんて。
写真はそこにあるものしか写せない。被写体がなければ撮れない。その事実にいつも苦しめられます。
そんなのはきっと逃げなんでしょうけどね。
【プロフィール】
芳田 賢明(よしだ たかあき)
イメージングディレクター/フォトグラファー。
「クオリティの高い撮影・RAW現像で、良い写真を楽につくる」をテーマに写真制作ディレクションを行っている。撮影ではポートレートや舞台裏のオフショット撮影を得意とする。
Webサイト…https://atmai.net/
Instagram…https://www.instagram.com/takaaki_yoshida_/
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