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【連載】芳田賢明「memorygram」第39回

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予想以上、M11

みなさんこんにちは。
イメージングディレクター/フォトグラファーの芳田賢明(よしだ たかあき)です。
ラジオのレギュラー番組だと思っていろいろ書いてみる、連載「memorygram」第39回です。

発表されましたね、ライカM11。
例によって結構な噂が事前に出回っていたこともあり、ベースプレートがないといった主だったところは予想通りでした。
が、一通りトピックを見てみると、M型ユーザーでこれを欲しがらない人はほとんどいないんじゃないか? という感じ。
もちろん私も欲しいです。

いちばん魅力的だと思ったのが、画像サイズが3種の画素数から選べるようになったこと。
私の撮影スタイルや用途だと、正直M10の2400万画素くらいがちょうど良くて、M10-Rの4000万画素はちょっとオーバーな感じなのです。
もともと画質が良いので、しっかり処理すればM10でもわりと大判いけちゃうし、何より4000万画素のデータは、撮影にしてもアーカイブにしても重い。
もしM11が6000万画素で固定だったら、欲しいと思わなかったでしょう。そこまでの画素数は自分には要らない。
でもM11は、画素数を6000万画素、3600万画素、1800万画素から選択でき、RAWでもそのサイズで撮れる。必要に応じて使い分けられるのはすごくありがたい。
それも、撮影後に画像処理で縮小するのではなく、撮影時に複数のピクセルを一つのピクセルとしてまとめて記録するようになっているとのこと。
もしかしたら、画素数を下げることでノイズが減ったり、ダイナミックレンジが広くなったりするかも?? テストしてみたいですね。

次に、64GBの内蔵メモリーが搭載されたこと。
おまけ程度に内蔵メモリーが搭載されることはありますが、64GBってすごいですよね。
どうやらカードと内蔵メモリーに同時記録ができるようです。RAWとJPEGの振り分け記録もできるのかなぁ。
そうなると、データ管理の面でもまた一つ、仕事として使えるカメラとしての条件を備えることになります。

地味にありがたいのが、基準感度がISO64になったこと。
いろいろ意見はあると思いますが、ライカレンズは基本的に開放か、ほんの少し絞るくらいで使いたい。
そうなると、天気が良いとシャッタースピードが最高速でも追いつかないことがよくあります。
それでNDフィルターを使うのですが、できることなら余計にフィルターはかましたくないし、レンズごとに用意するのも厳しい。日が暮れてきて外すのもまた手間になる。つまり、感度を下げられるならその方がいい。
M10はISO100で撮れるとはいえ、基準感度は200。M10-RでISO100が基準感度になってかなり助かっていますが、そこからさらに2/3段下がってくれた。これはありがたいです。
さらに、電子シャッターも搭載されて1/16000秒のシャッタースピードまで切れるようになって、基本的にNDフィルターは不要にできるかもしれません。
もちろん、電子シャッターでどこまで動体が撮れるのか、電子シャッター時のシャッター音はどうなのかなど、テストは必要ですけどね。

そして、ブラックボディではトップカバーがアルミニウムとなり、100g程度軽量化されたこと。
私の撮影スタイル上、カメラを意識させないようにするためブラックしか選ばないのですが、そのブラックボディが100gも軽くなったとのこと。フィルムのM6並みになったそうです。
トップカバーといえば真鍮だったものがアルミになったというのは、耐衝撃性や耐久性に些か不安もありますが、軽くなってくれるのは非常にありがたい。
丸一日の密着撮影が2日も続くと、どうしても指が痛くなってくるし、M型の装備でも積み重なるとそれなりの重さになりますからね。M型での撮影はなるべく軽快にしたい。

その他にも、嬉しい点や気になる点がいくつか。

バッテリーの持ちが大幅に良くなった。
従来比64%アップだそうです。それに伴ってベースプレートを廃止したとのこと。
私としてはM10のバッテリーに特に不満はなかったのですが、持ちが良くなることは当然歓迎です。
そもそもベースプレートはフィルムカメラだから必要だったわけで、機能性を考えればベースプレートの脱着という「お作法」は不便です。特にロケ中などは片手でバッテリーやカードの交換をしたかったりするわけで。
慣れ親しんだベースプレートがなくなるのは寂しくもありますが、前向きに捉えたいと思います。
ちなみに、ベースプレートがあることで、三脚使用中、そのままバッテリーやカードを交換できません。M11になってできるようになるのかなと思いましたが、ロックレバーが干渉して、結局三脚から外さないとダメっぽいですね。

撮像素子による測光になった。
電子シャッターの搭載もですが、カメラの中身的にはいわゆるミラーレスカメラにさらに近づいているのかな、という気がしますね。
マルチ測光の精度が上がるかも…?
考えてみると、それによって撮像素子が稼働する時間が大幅に増えて、バッテリーの消費も進むわけで、大容量化は必然なのでしょう。
気になるのは、基本的に電子先幕シャッターになるのかということ。だとすると、ボケの欠けとか心配になります。さすがに対策してますかね。

ビゾフレックス2の登場。
旧ビゾフレックスの240万ドットから370万ドットに解像度アップ。どこまで見え味が変わるか。
小さくなって角形になって、よりカメラに馴染む感じですかね。
現状、ビゾフレックスは持っているものの、実戦で使うことはありません。距離計のズレがないか確認するために使う程度。
M型は何よりレンジファインダーが良いわけで、ビゾフレックスをメインで使うならM型でなくても良いのではないか、と思うところもあります。
そもそも私が使うレンズは明るくてもズミルックスで、ブライトフレームに存在しない焦点距離も使わず、いちばん長くて90mmなので、基本的にレンジファインダーだけで良いのですが、もしビゾフレックス2がめちゃめちゃ良いのなら、例えば21mmとか135mmとかに手を出すのもアリかもしれません。
まあ考えてみると、高画素化によって求められるピント精度が高まったり、アポズミクロン35mmの最短撮影距離が30cmだったり、ノクティルックスの人気があったりと、EVFの必要性が高まっている面はありますね。
ただそれが、光学ファインダー不要論に繋がらないことを願います。

M11でも、EVFになるのではないかという噂がありました。でもそうなったらもはや「M」ではないよな、と思うのです。MはMesssucher(レンジファインダー)の頭文字なわけで。
M型を愛用している理由のうち、「レンジファインダーだから」という面は相当大きいです。
M11でもレンジファインダーを残してくれてよかったです。

あと、USB Type-C端子が搭載されて、給電もできるようになりました。
バッテリーチャージャーもUSB給電のようです。時代ですね。
USB接続でテザーできるようになるんですかね。まあ…あまりしない気はしますが。
あとこの端子、剥き出しで底面にあるんですよね。ホコリとか傷とか大丈夫なのでしょうか。黒パーで塞ぐ人が多そうな予感。

価格は税込118万8000円。結構安くなるような噂もありましたが、全然でしたね。笑
でも6000万画素ですし。妥当な気もします。

気になるのは、音も含めたシャッターフィーリングとブラックペイントの質感。
こればっかりは実物を見ないとわかりません。
正直、ポートレートにはM10くらいのシャッター音が欲しいのですが、さすがにM11でM10-Rよりシャッター音が大きくなることはないでしょう。
そしてブラックペイント。クローム仕上げよりペイントが好きなので嬉しいのですが、従来の真鍮のペイントとは質感が違うようで。

昨日からもう直営店で展示されているようですが、休日はしばらく混むでしょうね。
どこか平日で見に行こうかな…その場で予約しそうで怖い。笑


【プロフィール】
芳田 賢明
(よしだ たかあき)
イメージングディレクター/フォトグラファー。
「クオリティの高い撮影・RAW現像で、良い写真を楽につくる」をテーマに写真制作ディレクションを行っている。撮影ではポートレートや舞台裏のオフショット撮影を得意とする。
Webサイト…https://atmai.net/
Instagram…https://www.instagram.com/takaaki_yoshida_/


dgpc_cover
芳田賢明 著、プロカメラマンに向けた[仕事に即役立つ本]
「誰も教えてくれなかった デジタル時代の写真づくり」
好評発売中

(ヨドバシ・ドット・コム)
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