「教わる」と「学ぶ」
みなさんこんにちは。
イメージングディレクター/フォトグラファーの芳田賢明(よしだ たかあき)です。
ラジオのレギュラー番組だと思っていろいろ書いてみる、連載「memorygram」第68回です。
仕事柄、専門学校でRAW現像やプリントの授業を持っていたり、プロのフォトグラファーにRAW現像のアドバイスをしたりするのですが、基本的に「教える」という意識は持たないようにしています。
というのは、私も一人の表現者なので、その意味では専門学校の学生やプロのフォトグラファーと同じ。上に立つような人間ではなく、同じ目線で表現や技術について語り合う人間でいたいと思うからです。
実際、学生の写真を見せてもらって、どんな視点を持っているかを聞かせてもらう中で、私も刺激を受けて、気づきをもらえることも少なくありません。
一人一人の個性を尊重しながら、「教える・教わる」の関係ではなく「学び合う」関係。その方が楽しいと思います。
先日、梅雨入り直前滑り込みのスケジュール設定でロケ撮影をしてきました。
滑り込みのつもりが未だに梅雨入りしないのですが笑。
当日は今にも雨が降りそうな空が続きました。曇りの方が光と影がきつくならず撮りやすいとはいえ、そこまで太陽が弱いと写真の彩度を稼げません。
いつもの現像パラメーターを当ててもいまいち色が出ず、彩度を上げざるを得ない状況に。でも難しいんですよね、彩度のコントロールって。
そこで久々に、パラメーターの再構築的なことをやりました。モデルさんのイメージも踏まえながらの色出し。
こういう日頃のトライや研究が間違いなく自分の糧になっていく。これがなかったら、自分の中の技術的な成長はないでしょうね。
そしてそういう実践が、表現や技術について語り合うときの基盤になっていくわけです。
「教える立場だから」と新たなトライや学びをしなくなるのは、教える立場に相応しくない態度。
禅問答のような話かもしれないですが、真実だと思います。
【プロフィール】
芳田 賢明(よしだ たかあき)
イメージングディレクター/フォトグラファー。
「クオリティの高い撮影・RAW現像で、良い写真を楽につくる」をテーマに写真制作ディレクションを行っている。撮影ではポートレートや舞台裏のオフショット撮影を得意とする。
Webサイト…https://atmai.net/
Instagram…https://www.instagram.com/takaaki_yoshida_/
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