「今だからこそ思い出してみたい」
エドワード・ヴァン・ヘイレンが亡くなりました。
末期は癌と闘っていたそうですね。
昨年、ヴァン・ヘイレンのリユニオンの噂があったそうですが、その時にエドワードはドイツで癌の治療に入っていたみたいです。
そのせいでか、そのプランは無しになったようです。
ヴァン・ヘイレンのアルバム『1984』がリリースされた時、素晴らしくHOTなアルバムが発売されたと世界が沸きました。
アルバムの中でも「Jump」は世界のロック史に残る最強の楽曲となりました。
デイブとエドワードの確執に関しては有名ですが、デイブの脱退と同時に加入したのがサミー・ヘイガー。
ソロで活動していた時のサミーは、ハッキリ言ってイロモノとしか見えませんでしたが、ヴァン・ヘイレンに加入というのはかなり衝撃でした。
ヴァン・ヘイレンではそれまでのイロモノ感は薄れ、サミー自身の持ち味がグループに加入する事によって発揮されました。
アンチサミー派、デイブ擁護派は多いですが、サミー加入後のアルバム『5150』は革新的にグループを引き上げたものと感じます。
時代のニーズもあったと思いますが、唯一無二のヴァン・ヘイレン・サウンドが確立されました。
「Why Can’t This Be Love」は、サミーでなければ出来ないヴォーカル感に、進化したヴァン・ヘイレン・サウンドがあってこそ出来た楽曲です。
この曲はヴァン・ヘイレンの曲の中で1番好きな曲となりました。
時代はMVが一気に音楽シーンを語る上で欠かせないものになった頃です。
ラジオのエアチェックからMTVに進化が始まった、ビデオで音楽を楽しむ時代に変革しつつありました。
時同じくして負けじとFM局も増設され、音楽、特に洋楽との距離感が変わりました。
自分の中で、例えばロックやポピュラーソング(ハードロック、パンク、メタルなどを除く)の好きな曲を10曲ピックアップすると何だろう?と、ふと考えました。
ジャンルが多岐にわたると決めようがないので、アメリカンロック、ポップスの線に絞って考えてみましょう。
すると、一つの傾向に気付きました。
70年代後半から80年代にかけての曲は、ドライブの時によく聞いていた曲が多かったです。
もちろんオールジャンルで聴いていましたが、やはり一人ドライブなどには付き物の、孤独感やロンリーな気持ち、そんなものと一緒にドライブしていたんですね。
なので心に響く曲、気持ちが入る曲など、バラード系が多くなりました。
いやいや、その頃は若かった若かった。でもなかなかのセンスだと思いますよ。
試しに聴いてみて下さい。
■ビリー・ジョエル
名曲が多すぎますが、やはり音楽とリアルに聴いていた時期の想い出は切り離すことが出来ません。
青春の1ページの想い出としてアルバム『イノセント・マン』に収録の「This Night」は忘れられません。
ビリーの楽曲としては佳作としての評価になるかと思いますが、個人的想い出パワーが発揮されて彼のトップランク曲となりました。
想い出を差し引けば「素顔のままで」がトップにになるのかなぁ。
■ライ・クーダー
映画「ロング・ライダース」のサウンドトラック『The Long Riders』の1曲目、タイトル曲「The Long Riders」。
このインストゥルメンタルの楽曲には、アメリカが持つバックボーンやセンチメンタリズムが詰まっています。
他に真似が出来ないライ・クーダーならではのサウンドが心に染みてきます。
■トム・ウェイツ
アルバム『レイン・ドッグ』ライブ アルバム『ビッグ・タイム』に収録されている「Time」。
これほどの名曲はないと思えるバラード曲。
彼の世界観とするとホーボーソングとも受け止められる、哀愁に満ちた楽曲です。
『ビッグ・タイム』ではライブの最後の曲として歌われ、歌い終わりの「thank you, good night」の言葉がなんともいいのです。
■ドナルド・フェイゲン
アルバム『ナイトフライ』のリードソング「I.G.Y.」
クロスオーバーと言われるサウンドの代表曲。
ハイセンスなシティサウンドが鮮烈で、気が付けば38年前の曲だけど未だに一切色褪せないセンスは秀逸。
大人という言葉が最大限に似合う、伊達な雰囲気がセクシーな1曲です。
■ブルース・ホーンズビー&ザ・レインジ
アルバム『The Way It Is』に収録の「マンドリン・レイン」。
この曲も心の琴線に触れる、まさにマンドリンの音のような雨が降っている情景が浮かびます。
美しい旋律と儚くも悲しいサウンド。音楽による抒情的な表現を体現できる名曲です。
雨の日の一人ドライブでは、いつもこの曲が車の中に流れておりました。
■ジョン・クーガー・メレンキャンプ
個人的評価では最高傑作アルバム『ロンサム・ジュビリー』より「Check It Out」。
このアルバム全編に流れる荒涼としたアメリカの大地、風、空、雲の様子。
都会にない本当のアメリカの姿が、サウンドを通して感じられるこれもアメリカン・ロックの一つの形です。
この音楽による疑似体験が、自分の音楽の根底にある一つの風景を決定的に作りました。
自分の音楽づくりに大きな影響を与えた1曲です。
■ボズ・スキャッグス
「We’re All Alone」。ボズの代表曲でバラードソングの永遠の金字塔。
名曲揃いのボズで優劣は付けられませんが、グッとくる曲といえばこれかな。
誰もが納得の美しい旋律にうっとりきちゃう、きっとどこかで聴いたことのあるハズの曲です。
■イーグルス
「ならず者」。アメリカンロックのスローナンバーとして、超える事の出来ない傑作。
切ない抒情感が漂い、荒涼とした地平に風が吹いていく、月明りしかないような大地。
孤独でロンサムな大陸南部の風景が似合う、そんな曲です。
■ジャクソン・ブラウン
アルバム『ワールド・イン・モーション』の曲「Lights And Virtures」。
初期と比較されがちの80年代の作品の中でも、かなりメッセージ性の強いアルバムのラストの曲。
そんな風に聞く事も出来るけれど、サラッとしながらも孤独な哀愁を秘めたメロディ。
曲後半のギターのインタープレイは、ドライブミュージックとしてよく聴いていました。
心地よい寂しさに溢れた楽曲です。
■ドゥービー・ブラザーズ
「What a Fool Believes」。マイケル・マクドナルドがVo.の名曲。
ミディアムだけど軽快なリズムとアレンジ。心地の良い空気が空間を包み込むドゥービーサウンド。
ご機嫌な気持ちになれるドライブサウンドで、ドライブのお共に最適な曲です。
アメリカンロックで考えてみましたが、ハードロックやソウル、ファンク、ブルースetc…
ジャニスやデッドなどフラワーなども除外して、ポピュラーよりの曲でチョイスしてみました。
方向性は偏ってますね。
バラード系を聴きながらいろいろと思い悩んでいたのでしょうね。
でも時間は経っても、全くもって今でも大好きな曲たちで、共に過ごしてきた相棒のような楽曲たちです。
ピックアップした曲でアルバム1枚分。たまにはこの曲たちを聴きながら都会を歩いてみましょうか。
何か新しい発見があるかもしれませんね。
さていよいよ99回目を迎えました。
それに相応しい曲でお別れしましょう。
ブルース・スプリングスティーンで「Born to Run」
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