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【連載】大石孝次の「音楽な日常」第46回

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夏になると思い出すって訳ではないのですが、少年時代の夏休みという時期には心象に残る物事が多くあったりいたしました。

自分の少年時代は遥か遠い時の彼方なので、いよいよ色濃く残っているものしか思い出す事がしにくくなってしまいました。
でもその中にあって(時期に関しては曖昧ですが、印象として夏とオーバーラップするもので)強い印象として残っているものがあります。

NHKで夕飯前に放送されていた少年ドラマシリーズです。
その当時、夏休みになると午前中にカートゥーンのアメリカン・アニメシリーズ、そしてウルトラマンシリーズなど、子供の胸踊る番組が沢山再放送されていました。
しかも毎年恒例で。
ラジオ体操の時間に合わせて午前6時台にウルトラマンシリーズの再放送があった時期もありましたねぇ…。

子どもは子どもらしくルールやセオリーにあわせて、子どもらしく活動していたのです。昔はね。
正直、今はどうなのか知りませんが期待薄ですね。ラジオ体操やっているのかなぁ~?

そんな子どもには特別な楽しみがあった夏休みの夕方帯に、少年ドラマシリーズの再放送があったような気がします。
どうだったかなぁ。本放送も観ていた派なので記憶が曖昧になっておりますが。

少年ドラマシリーズで特に記憶があるのが「夕ばえ作戦」と「なぞの転校生」です。
夏休みが子ども時代の象徴的な時間だったから象徴的な作品をつなげてしまっている気もしますが…。

それはさておき、本題はここからです。
2000年にNHKで放送された、少年(世代)向けのドラマシリーズに恩田陸さん原作の「六番目の小夜子」という作品がありました。
当時、本当にたまたまこのドラマ作品に出会ったのですが、なんとも「少年ドラマシリーズ」を彷彿させる作品でした。

ドラマを見て原作を購入し読んでもみました。
原作モノ作品を解釈して、ドラマやアニメなどにする仕事をしていたので、この作品に対しての興味は様々な要素であったのですが、大変に困難な作品だと思っております。同業者として。

最近、思い出したようにこの作品のドラマを再び観ました。
気付いたら18年も経過していたのですね。
主人公は鈴木杏さん。この作品の後にドラマの「金田一少年の事件簿」や映画「ジュブナイル」「花とアリス」などに出演する、のりにのっていた時期の作品です。
存在感が半端なく、彼女が出演する作品だったのを告知で観て、番組をチェックいたしました。

この作品の出演者が半端なく良いティーンアクター&アクトレスなのです。
今、集めようと思ったら大変なメンバーなのですよ。

もう一人のヒロインは栗山千明さん。少女の頃から美形女子っぷりを発揮しています。
幼馴染役は山田孝之さん。この作品で初めて彼を認識をしたのですが、印象がなかなか強くて、この後に「ちゅらさん」の弟役で出会った時は、注目していただけに嬉しかったですね。
男性の役者さんで、子供の頃から注目して現在まで観続けている数少ない役者さんなのであります!

その弟役は勝地涼さん。まさに今タイムリーな時の人である前田敦子さんの旦那さんになった方です。この作品で知ったり覚えたりした役者さんが多いので、これまた印象深い出来事なのでした。
同級生は松本まりかさん。最近、話題になったドラマでも注目された女優さんです。とにかくこの作品の中でも彼女の演技は一味違ったのですね。
いい子なんだけどとっても嫌な子を物凄く上手く演じているのです。嫌な子で正にインプットしてしまうほど、同級生にいそうな苦手なタイプの子を100点で演じていました。
主人公のバスケ部先輩女子が平田裕香さん。大人っぽい雰囲気はこの頃からだったのかと、今観ても思います。

脇を固めるキャストも素晴らしく、村田雄浩さん、美保純さん、一色紗英さん、多岐川裕美さん、冨士眞奈美さん。
ちょっと若き日の(メジャーになる前なので)小日向文世さん。
そして、古尾谷雅人さん。まさかこの作品出演から3年で亡くなってしまうとは思ってもいなかったので、実際この作品が自分的には最後になってしまった感が強いです。

といった、現在になっても注目している皆さんが18年前の若さで展開しているなかなか鋭いキャスティングのドラマなのです。
挿入歌にOasisが使われていたりしているのも時代性を感じました。

にもかかわらず! 演出がどうにもこうにもチグハグで、なんとも理解しにくいというか、すっと入ってこない作りというか…
台本は宮村優子さん。台本を追っかけている分にはそうでもないのですが、全てを走らせると、とたんに整合性がなくなってしまう…。
この内容をもっと分かりやすくかみ砕いて演出する事は出来ないのかなぁ…などと何度も考えてしまいました。何年もかけてね。

原作にある難解さを理解した脚本になっている分、それを消化する演出はさらに難しいのか???
しかしそれが『いにしえ』の少年ドラマシリーズのようでもある、何とももどかしくも、それがこの作品の好きなところだったりするのです!
天邪鬼ですかね(笑)
だからなんだか難解な気持ちになるのが楽しいのであります。

サイコサスペンス的な学園ドラマなので夏休みに観るのに最適なのです!
それこそ昔の学園モノ夏休み角川映画みたいな。
毎年、夏になると思い出して観ちゃうんですね~。
こういうような、夏休みに楽しむのが似合う作品、最近だと映画の「サマーウォーズ」とかはハマっているかと思いますが、そういう飛び道具が一つでもあると夏の想い出のプラスになるかもしれませんよね。

ドラマのキャストさんは18年経過して、みなさん大人になった訳です。
こんな風に人は大人になっていくんだなぁと、感慨深く思えたりします。
特に自分的には山田孝之さんね。あんなに髭が濃くなると思わなかったものねぇ!
この当時はピュアでさっぱりしてます♬

学園ドラマを作るとして、現代的な暗さや闇や陰湿さがない、明るい中学生日記的な作品は成立しにくい世の中なのかなぁ。
この作品は真面目な生徒たちのドラマだけど、そこにある不安やストレスに立ち向かう姿勢や、投げかけがとても大きなテーマと問題としてフィーチャーされています。
それは今も共通する現代的な投げかけだと思われます。
執拗にNHK的な生徒像をドラマ内で守るのも、今だからこそ面白いのかもと可能性を感じたりもしています。
変にNHKが今様な風潮に寄り添う必要もないのかと思えます。まぁバランスの問題でしょうが。

音楽を担当しているのはcobaさん。
この音楽のファクターが非常に作品をアンバランスにしてしまっています。
正直、私見ですが全然演出とあっていません。
演出と音楽のアンバランスさがこのドラマの一貫性を破たんさせているのですね。
音楽が悪いのではなく、演出と合っていないという事です。
音楽はとてもミステリアスで怖すぎるのですが、演出は全般に軽いんです。

セリフの重いところも演出が軽くて気持ちがイマイチ乗り切らず、観ていても入ってこないのです。
それゆえ、若き役者さんの演技のアプローチや芝居の方向性がそれぞれ別を向いているので、ドラマの一貫性が更に破たんしていくのです。
簡単に言うと演技は噛み合ってないって事です。
それも含めてドラマ「六番目の小夜子」は18年経った今でも、突っ込みたくなるほど面白いという事なのです!
NHKには留まることなく、新たなジュブナイル作品を作って頂きたいです。

アイ・カーリーも面白かったけど、それを超えるような和製作品の制作に期待をせずにはいられません。
結果、NHKを喚起するような内容になってしまいましたが、少年時代にしか観る事の出来ない景色は大切なものなので、ぜひ心に残る作品に出会ってほしいものなのであります。
今の少年少女たちに、そんな素敵な時間が待っていると良いのですが。

そんな君たちへ送る1曲です。
山下達郎「さよなら夏の日」

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