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【連載】大石孝次の「音楽な日常」第11回

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『ホルモンと大都会 Part.1』

昨今の下町居酒屋ブームや下町ホルモンブームなどのおかげで、老舗には人が溢れ隠れ家的だった店も様々な人に発掘され、予約なしでは入れない嬉しいような不便なような盛り上がりを見せております。

食に興味を持つ若い人も増え、以前にも増してホルモン屋にも人が多くなりました。
ブームがやってきたのにはそれ相応の理由があります。
テレビや雑誌やSNSや口コミで、それまでホルモンを食べたことのなかった人たちが何気に興味を持ち、やれディープだのマニアックだのヤバいだのと言いながら、見たことのないフィールドへ足を延ばし始めた訳ですよ。
また、その手の店に来なかった女性グループが何を思ったか女子会などと名乗り、そんな店にまでなだれ込むようになった訳であります。

ホルモン屋の民主化を感じることがあります。
昔からホルモン屋にも多々女性の店員さんはおりましたが、今どきは普通の学生さんが気軽にバイトする率が上がっているんですなぁ確実に。
まあ、美味しくて楽しい店が増えたり盛り上がることは良いことなので、おじさん達と楽しく共存共栄していただければいいですね。

さて、最近のお話です。
予約が取りにくい店にガッツで行こうとして予約の電話をかけたのですが、2軒続けてフラれてしまいました。
同行者とはその日しか都合が合わなかったので、なんとかその日に行ける焼肉ホルモン系の美味しいところを探したいと思います。
更に仕事の都合で場所は渋谷限定。
う〜ん、良き店は沢山ありますが予約を取ることがなかなか難しい…。
しかし、なんとか評判の良いお店に予約をすることが出来ました。

行ったことはないのですが、食べ物もさることながら従業員さんの評判良し。それは珍しいですね。
オリジナリティのあるメニューは渋谷ならではでしょうかね。
若い従業員(ホルモン屋で「スタッフ」ってのはおかしいでしょ?)に若いお客さん、土地柄ですが何気にミクスチャー感を感じます。
オーセンティックなホルモン屋さんとは違う渋谷系アレンジって匂いですかね。

こちらのお店の従業員さんは肉やホルモンについて説明をしてくれて、そして食べごろまで焼いて面倒を見てくれるスタイルだとか。
これは究極の二択です「お喋りしながら楽しく自分たちで焼く」か「話の腰は折られても美味しいところまで焼いてもらう」か…。
郷に入っては郷に従えなので、もちろんこちらではお店の流儀に乗っかって食べます。

若い従業員さんのノリに合わせて雰囲気を含めて楽しまないと損をするのです。
正直、若い子のノリで話されるのがいやなタイミングもあったりする訳なので、それを覚悟の上で行かないと駄目な事を前もって知っておかないといけないのです。
別にその日はNO問題でしたよ。従業員さん達とも楽しくお喋りを展開しました。

さあ、あとはそれに叶った焼き方をマニュアル通り以上に仕上げてくれるかだけが問題です。
経験と技術で出来上がりに違いがはっきり出るのが焼肉・ホルモンの道。

ホルモンとは皆さんご存知の通り関西でいう「放るもん」。捨てちゃうものというのが語源です。
肉は食べても内臓は捨てるなど、ビーフィーターのイギリスをはじめとする欧米とは違う訳で日本は肉食後進国です。
ドイツの住宅地の中にあるマーケットに行ったとき、普通の何げないマーケットのミートコーナーにも関わらず、何十種類の腸詰などの加工食品がショーケースの中にドワ〜〜〜〜っとあってマジでびっくりいたしました。
魚の食べ方では世界屈指の日本勢も肉の世界ではランク外であることを痛感した瞬間です。

昔は「安い」が利点のホルモンでした。
その当時のホルモンは、ぶっちゃけ万人が食べて美味しいと思えるものではなかったのです。
なので、ホルモンに対して良いイメージがない方も多かったわけですな。

ホルモンの生命線は2つ。手間と鮮度です。
昔のホルモン屋は、はっきり言って下世話な場所というイメージでした。
もちろん、みんながみんなそうだったとは言いませんが…。
しかし、そんな雰囲気の店が大半を占めていました。

我が地元の横浜にも有名なホルモン屋があります。
昼過ぎから営業を開始し、仕事を終えた労働者や場外馬券場から流れてくるお客さん達で早い時間からお店は一杯。
店は換気が行き届かないためボヤのように煙が充満しており、服も髪も煙と舞っている脂まみれになる覚悟が必要です。
それでもそのお店は常に大繁盛。
ホッピー片手に盛り上がり続けておりますよ、何十年も。

タレの美味さもさることながら、大事なのはホルモンの処理、始末なのです。
新鮮なモツを仕入れて、一つ一つ手間をかけて掃除していく事。これがホルモンの重要なエレメンツなのです。
そうじゃないモノは「くさい」と言われておりました。
ホルモンは独特の匂いがあって嫌い…、昔はよくそういわれ敬遠されるジャンルだったのです。

素材の保存管理が良くなり、流通環境も良くなり、素材を大切に扱う方が多くなった訳です。
それが女性客を呼ぶにまでに至る、ニューホルモンジェネレーションの誕生に繋がったのですね。
シマチョウや白コロを食べると、昔のホルモンがいかに臭かったか思い出すのです。
昔のイメージをやはり今でも持ち合わせているので、どのお店でも最初の一口目は心で二の足を踏んでいます。
でも、今は昔のような匂いを感じることはホボありません。
皆さんの努力の結果、美味しいホルモンを気軽に食べられるようになったのです。

さらなる問題点が、ホルモンは焼きのタイミングが分かりにくく、部位を理解した人が焼く方がまったくもって美味しく食べられるのです。
話は戻りますが、渋谷のお店のミノは昨今食べたミノの中ではNo.1の美味しさでした。
従業員さんの焼きも満足のいく仕上がりでしたので。

日頃、若い世代と共に仕事をしているのですが、若者の中でも偏った子たちと絡んでいる事に気付きました。
3名の従業員さんに焼いてもらったり説明して貰ったり馬鹿話をしたのですが、なんとなく今のトレンド的なものを感じ取ることが出来ました。

個々のマイノリティを臆さず主張することにで、他人と連鎖しながらマジョリティ化していく。
集団の中では小さい存在でも、主義や主張に垣根や弊害は感じず集団化することによって安心を得る。
個のマイノリティの主張は別のマイノリティと融合することではなく、他と認知しあうことによって自らの存在を確立する手段である。

な〜んてね。
ちょっとだけ「都会が持つ人と人の繋がりや、現代の繋がりに対する脆さや細さ」を、ホルモン焼を食べながら感じたのでした。

ホルモンとちょっと離れてしまったようですが、実はホルモンが都会を象徴する香りになったのかもしれません。

都会の香りと言えば…

やはり日本でここまでアーバンな曲は聴いたことがなかった…『SHADOW CITY』寺尾聰。
この曲のスキャットには度肝を抜かれました。カッコ良すぎ。

知らない人は、都会の風の中でぜひこの曲を聴いて下さい。

そのときホルモンの煙は…なくていいかな。

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